ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(2) [ふたご姫妄想戦記]
土曜日です。
土曜日になると必死な想いで更新される
・・・可能性があるふたご系っぽい駄文。
設定とかいろんなことを忘れ気味で、
半ば暴走して書いてる気配濃厚。
もはやふたご姫と何の関係が・・・
いつも微笑みをたたえている1年C組のルーシア。
ひみつ星のプリンセス。
その笑みに隠されていたのはルーシアの過去。
ひみつ星の秘密でした・・・
ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(1)
「ふぅん・・・これが秘密の扉。」
真夜中の月明かりの下、
誰にも見られることなく目的の地まで来れたけど・・・
本当に大きいわね。これ。
場所もそこにある理由も知っているのに、
今まで一度も来たことがなかった - 扉。
森を抜けた草むらに、
あまりに異様なものがそこにある。
見上げるほどに大きい。
後ろは・・・何もない。
本当に、巨大な扉が1枚、そこにあるだけ。
ひみつ星の者なら誰でも知っている。
森の奥に、この大きな扉があることを。
でも、
ひみつ星の者は誰もその意味は知らない。
その扉の向こうはどことつながっているのか?
その扉を抜けた先はどこなのか?
知らない。
解らない。
それはヒミツ。
だから秘密の扉。
それを知るのは、
ひみつ星の王族と城のわずかな者だけ。
今、ひみつ星の王族は私と双子の弟(妹もどき)しかいない。
扉の奥にある秘密を知る者は少ない。
「大きな扉だけど・・・こんな小さな鍵で開くのかしら?」
私は秘密の鍵をポケットから取り出す。
大きな扉とは不釣り合いに小さな金色の鍵。
扉には確かに鍵穴が見える。
とても小さいけど。
開くかしら・・・
扉は重そうだけど。
駄目なら魔法で押してみようかしら?
改めてその大きな扉に目を向ける。
ずっとほったらかしにされているわりには、
扉の表面はピカピカ。
コケひとつ生えてない。
誰かが掃除でもしているとか?
・・・まさかね。
鍵穴はすこし高いけれど、
ジャンプすれば人の背が届くところにある。
私でも鍵をさせる高さかしら。
扉の大きさと実にアンバランスな鍵穴ね。
誰が作ったかは解らない秘密の扉。
いつからあるかは解らない秘密の扉。
でも、その向こう側になにがあるのか・・・
それだけは知っている。
その秘密を知っている。
私は知っている。
だから扉を開けてみないと話は進まない。
「ま、なるようになるわね。」
私は鍵を刺して回してみた。
ガチャリと軽い音がした。
すると扉が重い音をたてながら、
ゆっくりと動き始める。
ひとりでに。
人が通れる程まで開くと、扉の動きは止まってしまった。
「ま、なるようになったわね。」
私は扉をくぐる。
目指すものがあるから。
秘密の扉を開けた先。
そこは真っ暗だった。
いいえ。
暗いはずなのに、
ぽぅっと青暗く光っている感じがする。
そうね。
まるで宇宙にいるみたい。
そこに何かが漂っていた。
黒い塊というより・・・黒い雲かしら?
うまく表現できない。
でも、それが何かはだいたい解る。
宇宙から集められたアンハッピー。
それがこの雲の正体。
みんなの笑顔のために、
宇宙の幸せのために、
ひみつ星の者がヒミツのうちに集めた心の闇。
人を不幸にする根源。
そんものが扉の奥に溜まっていた。
ひみつ星の人々も、
集めた闇やアンハッピーがどこにいくは知らずじまい。
まさか、
秘密の扉の向こう側に集められているなんて・・・
誰も思わないでしょうね。
いいえ。
もしかしたら、みんな知っているのかも。
知っていて言わないだけなのかも。
ま、だから、秘密の扉なんでしょうけど。
そんな危険な物を閉じ込めていた扉を、
私は、今、開けた。
なんのために?
そうね・・・なんのためかしら・・・
本当に正しいことなのかしら・・・
そんなことを考えながら、
暗闇を、独り、歩く。
明かりは指先に灯した魔法の光だけ。
暗がりの中、目的のものを探す。
はっきりとしたイメージは持ってないけれど、
だいたいは解るつもりでいた。
私の目的を叶えてくれそうな・・・とっておきの闇を。
そして、ソレとはすぐに出会うことができた。
「何かしら?」
闇の中を歩き始めて、たいした時間もたっていない。
私の目の前に黒いものが集まり始める。
周囲の闇よりなお黒いもの。
ソレは形となった。
「?・・・水晶??」
そう、ソレはキラキラしていて・・・
真っ黒な水晶の塊に見えた。
そんな美しくも不気味なものが、
ふわふわと私の目の前を漂っている。
「何か私に用?」
でも、返事はない。
ただ、私にまとわりつくだけの黒い水晶の塊。
感じるのはとても強い負の感状。
世界中のハッピーを憎む思念。
「アンハッピーの結晶・・・というところね。」
私は黒い水晶の塊に向けて手を掲げた。
それは、静かに私の両手に収まった。
「ふぅん・・・」
しばしばそれを見つめていたけれど、
・・・決めた。
コレでいいわ。
「出たいのね。この場所から?」
言葉はない。
ただ、暗い光が強くなったように見えた。
「そう・・・いいわ。出してあげる。」
歩いてきた方向へ戻る。
普通なら方向なんて解らない闇の中。
気が変になるかもしれない・・・
でも、私は難なく出口である扉へ辿り着く。
そして、ソレを連れ出した。
秘密の扉に再び鍵をかけ封印した。
外へ出て、まず最初に・・・
「さあ、お行きなさいな。」
両手を掲げて、黒い水晶の塊を空に揚げる。
「どこへでも、アナタのおもむくままに。」
暗い光を放ちながら、
少しの間不規則にそれは漂っていた。
でも飛んでいこうとしない。
どうしたのかしら?
「あ、そうね・・・名前がいるわね。あなたにも。」
ソレの動きが止まる。
「そうね・・・水晶っぽいから・・・」
少し考えて、我ながら素敵な名前を思いつく。
「黒き水晶の帝王・・・ってのはどうしかしら?」
けれど、ソレは動かない。
・・・なにかしら。嫌なのかしら。
素敵な名前なのに・・・
「嫌なの?じゃ、暗黒水晶大魔王なんてどう?」
ソレは動きを止めて、さらに地面に落ちた。
・・・なによ。
まるで私がネーミングセンスがないみたいね。
「じゃあ・・・ブラッククリスタルキングなんて・・・どう?」
それは再び不規則に漂い始める。
喜んでいる・・・と思っていいのかしら。
・・・なんか、シャクね。
「さあ、今度こそお行きなさいな。」
私は漂っていたそれに呼びかける。
「貴方の思う通りに広い宇宙を飛び回りなさい。」
それは高く高く上がっていった・・・
「ふふ・・・頑張ってね。ブラッククリスタルキング・・・」
これが私と闇の根源の出会い。
アンハッピーの主を宇宙に放ったのは、私。
とある目的のために・・・
満天の星が輝いていて、
月がとても奇麗な夜だった。
そして、私もその夜にひみつ星を出た。
たぶん・・・もう帰ってくることはない・・・と、
覚悟だけはその時に決めていた。
私の目的はひとつだけ。
ひみつ星の秘密をなくすこと。
全宇宙のハッピーのために、
誰にも知られることなくアンハッピーを抱えるひみつ星。
そんなバカみたいな秘密を全宇宙にバラすこと。
でも、それは誰かに教えればよいものではないの。
誰かに聞かせればよいものではないの。
秘密は知られなきゃいつまでたっても秘密のまま。
ひみつ星の頑張りを、苦しみを、悲しみを、
その大切さをみんなが受け入れなければ意味がないの。
そうすれば、もう今までみたいに笑えないわよね?
そうよね。
幸せに酔って、笑えないでしょう・・・
宇宙には、
その幸せのために不幸せを受け入れている者がいるのに!
・・・そのために、私は秘密の扉から、
闇の結晶を宇宙に放った。
いずれその闇が宇宙を覆うほど大きくなることを期待して。
あ、勘違いしないでね。
別に宇宙を滅ぼしたいとか、
宇宙を支配したいとか、
そんなのは全然、ないから。
興味ないし。
ブラッククリスタルキングに期待すること、
それはとっても派手に倒されることなの。
強い強~いアンハッピーの結晶となって、
宇宙中に闇をまき散らして、
恐怖の対象となったブラッククリスタルキング。
それを倒せる存在を待っているの。
私の目的は、ブラッククリスタルキングでなくて、
それを倒す方だから。
圧倒的な闇を照らしだす太陽の輝き。
そちらが私のめあてだから。
闇が生まれたら、必ず照らす光が生まれる。
闇が強ければ強いほど、光も必ず強くなる。
私は待った。
ブラッククリスタルキングを照らす光を。
ずっと。
ずっと・・・
どれくらいの時間がたったのかしら。
ある時、私はとても強い光の持ち主を見つけた。
名前は確か・・・グレイス。
そう、プリンセス・グレイス。
ふしぎ星のプリンセス。
最初は、このプリンセスが私の目的と思ったけど、
ちょっと違っていたの。
彼女の想いは、遠い先に向けられていた。
そう、遠い未来へ・・・
「ねぇ、あなた?」
「え?え!?・・・いったいどこから??」
でも、私は気になって、一度グレイスに会いに行ったことがる。
「少し聞きたいのだけど・・・良いかしら?」
「どうやってこのお城の中に?いえ、聞きたいことって・・・?」
私の目的がこのプリンセスなら、それでいい。
でも・・・
なにか違う。
そんな風に感じる。
「栄光の名を持つ姫君、あなたはどこを見ているの?」
「は・・・?」
私はじっとグレイスを見つめた。
「・・・」
「・・・」
しばしの時間がたってから、
グレイスは落ち着いた声で話し始めた。
「銀の髪の姫君、私ではあなたの望みは叶えられないでしょう。」
「・・・そう。」
「私の想いは、いずれ生まる太陽の微笑みが継いでくれます。」
「ふぅん。」
違う。
グレイスではブラッククリスタルキングの本体を浄化しきれない。
直感した。
この娘でも太刀打ちできないなら、
1人の力では無理ということかしら・・・
「邪魔したかしら。帰るわね。」
そんな私にグレイスは声をかけてきた。
「銀の髪の姫君?」
「なに?」
「きっとあなたも、あの娘達と解りあえるはずです。きっと・・・」
「そう・・・じゃね。」
解りあえる?
誰と?
私が?
そんなこと、ありえないのにね。
ボケてるのかしら、あの娘?
でも・・・いいわ。
待ちましょう。
プリンセス・グレイスが信じる者を。
未来に生まれ来る太陽の微笑みとやらを。
それからして、また長い時間が流れた。
その間にブラッククリスタルキングは力を強めて、
いろいろな星に分身を飛ばし闇の沈めていく。
ふしぎ星もそのひとつだった。
ブラッククリスタルキングのかけらは、
星の希望を失わせる。
でも、そんなふしぎ星にこそ、
私が求めていた者がいたの。
希望の光。
おひさまの光・・・
それは太陽の笑顔を宿した2人の姫君。
ふしぎ星のふたご姫。
プリンセス・グレイスの想いを継いだ、
エターナルソーラープリンセス。
ふたりはふしぎ星を照らす太陽。
その力でブラッククリスタルキングのかけらから星を解放した。
さらに、ふたご姫は全宇宙のハッピーの象徴、
ハッピーベルンに祝福され、
ブラッククリスタルキングの本体さえも退けた。
全宇宙のアンハッピーの結晶がブラッククリスタルキングをなら、
全宇宙のハッピーの象徴こそがふしぎ星のふたご姫。
ファインとレイン。
2人を中心に笑顔は広がる。
そう・・・
その笑顔の陰に隠れて生まれるアンハッピーには目を向けず。
ひみつ星には目を向けず、にね。
偽善だわ・・・
長い時間、待ち続けて、
やっとその目標は定まった。
ふしぎ星のふたご姫。
そして、ロイヤルワンダー学園のソレイユベル。
ハッピーの象徴。
それらを砕くことで、ひみつ星の秘密を知らしめる。
ひみつ星の秘密の扉を開けてから、
数えきれない星空と陽の登る空を見てきた。
ずっと独り。
でも・・・
それがやっと終わりそう・・・
今、私は準備を終えようとしている。
全宇宙最強の希望の輝きに挑むために・・・
実はふたご姫無印をほとんと見たことがないため、
グレイスさんの詳細は知らなかったりします。
ディティールブック2を読んでみましたが、
イマイチ解らず。
ウィキペディア見ても、どうもチンプンカンプン。
まさに妄想でカヴァー。
土曜日になると必死な想いで更新される
・・・可能性があるふたご系っぽい駄文。
設定とかいろんなことを忘れ気味で、
半ば暴走して書いてる気配濃厚。
もはやふたご姫と何の関係が・・・
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(2)
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
◆◇◇◆あらすじ◆◇◇◆
いつも微笑みをたたえている1年C組のルーシア。
ひみつ星のプリンセス。
その笑みに隠されていたのはルーシアの過去。
ひみつ星の秘密でした・・・
ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(1)
◆◇◇◆第3章 ひみつ星の秘密の扉◆◇◇◆
「ふぅん・・・これが秘密の扉。」
真夜中の月明かりの下、
誰にも見られることなく目的の地まで来れたけど・・・
本当に大きいわね。これ。
場所もそこにある理由も知っているのに、
今まで一度も来たことがなかった - 扉。
森を抜けた草むらに、
あまりに異様なものがそこにある。
見上げるほどに大きい。
後ろは・・・何もない。
本当に、巨大な扉が1枚、そこにあるだけ。
ひみつ星の者なら誰でも知っている。
森の奥に、この大きな扉があることを。
でも、
ひみつ星の者は誰もその意味は知らない。
その扉の向こうはどことつながっているのか?
その扉を抜けた先はどこなのか?
知らない。
解らない。
それはヒミツ。
だから秘密の扉。
それを知るのは、
ひみつ星の王族と城のわずかな者だけ。
今、ひみつ星の王族は私と双子の弟(妹もどき)しかいない。
扉の奥にある秘密を知る者は少ない。
「大きな扉だけど・・・こんな小さな鍵で開くのかしら?」
私は秘密の鍵をポケットから取り出す。
大きな扉とは不釣り合いに小さな金色の鍵。
扉には確かに鍵穴が見える。
とても小さいけど。
開くかしら・・・
扉は重そうだけど。
駄目なら魔法で押してみようかしら?
改めてその大きな扉に目を向ける。
ずっとほったらかしにされているわりには、
扉の表面はピカピカ。
コケひとつ生えてない。
誰かが掃除でもしているとか?
・・・まさかね。
鍵穴はすこし高いけれど、
ジャンプすれば人の背が届くところにある。
私でも鍵をさせる高さかしら。
扉の大きさと実にアンバランスな鍵穴ね。
誰が作ったかは解らない秘密の扉。
いつからあるかは解らない秘密の扉。
でも、その向こう側になにがあるのか・・・
それだけは知っている。
その秘密を知っている。
私は知っている。
だから扉を開けてみないと話は進まない。
「ま、なるようになるわね。」
私は鍵を刺して回してみた。
ガチャリと軽い音がした。
すると扉が重い音をたてながら、
ゆっくりと動き始める。
ひとりでに。
人が通れる程まで開くと、扉の動きは止まってしまった。
「ま、なるようになったわね。」
私は扉をくぐる。
目指すものがあるから。
秘密の扉を開けた先。
そこは真っ暗だった。
いいえ。
暗いはずなのに、
ぽぅっと青暗く光っている感じがする。
そうね。
まるで宇宙にいるみたい。
そこに何かが漂っていた。
黒い塊というより・・・黒い雲かしら?
うまく表現できない。
でも、それが何かはだいたい解る。
宇宙から集められたアンハッピー。
それがこの雲の正体。
みんなの笑顔のために、
宇宙の幸せのために、
ひみつ星の者がヒミツのうちに集めた心の闇。
人を不幸にする根源。
そんものが扉の奥に溜まっていた。
ひみつ星の人々も、
集めた闇やアンハッピーがどこにいくは知らずじまい。
まさか、
秘密の扉の向こう側に集められているなんて・・・
誰も思わないでしょうね。
いいえ。
もしかしたら、みんな知っているのかも。
知っていて言わないだけなのかも。
ま、だから、秘密の扉なんでしょうけど。
そんな危険な物を閉じ込めていた扉を、
私は、今、開けた。
なんのために?
そうね・・・なんのためかしら・・・
本当に正しいことなのかしら・・・
そんなことを考えながら、
暗闇を、独り、歩く。
明かりは指先に灯した魔法の光だけ。
暗がりの中、目的のものを探す。
はっきりとしたイメージは持ってないけれど、
だいたいは解るつもりでいた。
私の目的を叶えてくれそうな・・・とっておきの闇を。
そして、ソレとはすぐに出会うことができた。
「何かしら?」
闇の中を歩き始めて、たいした時間もたっていない。
私の目の前に黒いものが集まり始める。
周囲の闇よりなお黒いもの。
ソレは形となった。
「?・・・水晶??」
そう、ソレはキラキラしていて・・・
真っ黒な水晶の塊に見えた。
そんな美しくも不気味なものが、
ふわふわと私の目の前を漂っている。
「何か私に用?」
でも、返事はない。
ただ、私にまとわりつくだけの黒い水晶の塊。
感じるのはとても強い負の感状。
世界中のハッピーを憎む思念。
「アンハッピーの結晶・・・というところね。」
私は黒い水晶の塊に向けて手を掲げた。
それは、静かに私の両手に収まった。
「ふぅん・・・」
しばしばそれを見つめていたけれど、
・・・決めた。
コレでいいわ。
「出たいのね。この場所から?」
言葉はない。
ただ、暗い光が強くなったように見えた。
「そう・・・いいわ。出してあげる。」
歩いてきた方向へ戻る。
普通なら方向なんて解らない闇の中。
気が変になるかもしれない・・・
でも、私は難なく出口である扉へ辿り着く。
そして、ソレを連れ出した。
秘密の扉に再び鍵をかけ封印した。
外へ出て、まず最初に・・・
「さあ、お行きなさいな。」
両手を掲げて、黒い水晶の塊を空に揚げる。
「どこへでも、アナタのおもむくままに。」
暗い光を放ちながら、
少しの間不規則にそれは漂っていた。
でも飛んでいこうとしない。
どうしたのかしら?
「あ、そうね・・・名前がいるわね。あなたにも。」
ソレの動きが止まる。
「そうね・・・水晶っぽいから・・・」
少し考えて、我ながら素敵な名前を思いつく。
「黒き水晶の帝王・・・ってのはどうしかしら?」
けれど、ソレは動かない。
・・・なにかしら。嫌なのかしら。
素敵な名前なのに・・・
「嫌なの?じゃ、暗黒水晶大魔王なんてどう?」
ソレは動きを止めて、さらに地面に落ちた。
・・・なによ。
まるで私がネーミングセンスがないみたいね。
「じゃあ・・・ブラッククリスタルキングなんて・・・どう?」
それは再び不規則に漂い始める。
喜んでいる・・・と思っていいのかしら。
・・・なんか、シャクね。
「さあ、今度こそお行きなさいな。」
私は漂っていたそれに呼びかける。
「貴方の思う通りに広い宇宙を飛び回りなさい。」
それは高く高く上がっていった・・・
「ふふ・・・頑張ってね。ブラッククリスタルキング・・・」
これが私と闇の根源の出会い。
アンハッピーの主を宇宙に放ったのは、私。
とある目的のために・・・
満天の星が輝いていて、
月がとても奇麗な夜だった。
そして、私もその夜にひみつ星を出た。
たぶん・・・もう帰ってくることはない・・・と、
覚悟だけはその時に決めていた。
◆◇◇◆第4章 ひみつ姫の願い◆◇◇◆
私の目的はひとつだけ。
ひみつ星の秘密をなくすこと。
全宇宙のハッピーのために、
誰にも知られることなくアンハッピーを抱えるひみつ星。
そんなバカみたいな秘密を全宇宙にバラすこと。
でも、それは誰かに教えればよいものではないの。
誰かに聞かせればよいものではないの。
秘密は知られなきゃいつまでたっても秘密のまま。
ひみつ星の頑張りを、苦しみを、悲しみを、
その大切さをみんなが受け入れなければ意味がないの。
そうすれば、もう今までみたいに笑えないわよね?
そうよね。
幸せに酔って、笑えないでしょう・・・
宇宙には、
その幸せのために不幸せを受け入れている者がいるのに!
・・・そのために、私は秘密の扉から、
闇の結晶を宇宙に放った。
いずれその闇が宇宙を覆うほど大きくなることを期待して。
あ、勘違いしないでね。
別に宇宙を滅ぼしたいとか、
宇宙を支配したいとか、
そんなのは全然、ないから。
興味ないし。
ブラッククリスタルキングに期待すること、
それはとっても派手に倒されることなの。
強い強~いアンハッピーの結晶となって、
宇宙中に闇をまき散らして、
恐怖の対象となったブラッククリスタルキング。
それを倒せる存在を待っているの。
私の目的は、ブラッククリスタルキングでなくて、
それを倒す方だから。
圧倒的な闇を照らしだす太陽の輝き。
そちらが私のめあてだから。
闇が生まれたら、必ず照らす光が生まれる。
闇が強ければ強いほど、光も必ず強くなる。
私は待った。
ブラッククリスタルキングを照らす光を。
ずっと。
ずっと・・・
どれくらいの時間がたったのかしら。
ある時、私はとても強い光の持ち主を見つけた。
名前は確か・・・グレイス。
そう、プリンセス・グレイス。
ふしぎ星のプリンセス。
最初は、このプリンセスが私の目的と思ったけど、
ちょっと違っていたの。
彼女の想いは、遠い先に向けられていた。
そう、遠い未来へ・・・
「ねぇ、あなた?」
「え?え!?・・・いったいどこから??」
でも、私は気になって、一度グレイスに会いに行ったことがる。
「少し聞きたいのだけど・・・良いかしら?」
「どうやってこのお城の中に?いえ、聞きたいことって・・・?」
私の目的がこのプリンセスなら、それでいい。
でも・・・
なにか違う。
そんな風に感じる。
「栄光の名を持つ姫君、あなたはどこを見ているの?」
「は・・・?」
私はじっとグレイスを見つめた。
「・・・」
「・・・」
しばしの時間がたってから、
グレイスは落ち着いた声で話し始めた。
「銀の髪の姫君、私ではあなたの望みは叶えられないでしょう。」
「・・・そう。」
「私の想いは、いずれ生まる太陽の微笑みが継いでくれます。」
「ふぅん。」
違う。
グレイスではブラッククリスタルキングの本体を浄化しきれない。
直感した。
この娘でも太刀打ちできないなら、
1人の力では無理ということかしら・・・
「邪魔したかしら。帰るわね。」
そんな私にグレイスは声をかけてきた。
「銀の髪の姫君?」
「なに?」
「きっとあなたも、あの娘達と解りあえるはずです。きっと・・・」
「そう・・・じゃね。」
解りあえる?
誰と?
私が?
そんなこと、ありえないのにね。
ボケてるのかしら、あの娘?
でも・・・いいわ。
待ちましょう。
プリンセス・グレイスが信じる者を。
未来に生まれ来る太陽の微笑みとやらを。
それからして、また長い時間が流れた。
その間にブラッククリスタルキングは力を強めて、
いろいろな星に分身を飛ばし闇の沈めていく。
ふしぎ星もそのひとつだった。
ブラッククリスタルキングのかけらは、
星の希望を失わせる。
でも、そんなふしぎ星にこそ、
私が求めていた者がいたの。
希望の光。
おひさまの光・・・
それは太陽の笑顔を宿した2人の姫君。
ふしぎ星のふたご姫。
プリンセス・グレイスの想いを継いだ、
エターナルソーラープリンセス。
ふたりはふしぎ星を照らす太陽。
その力でブラッククリスタルキングのかけらから星を解放した。
さらに、ふたご姫は全宇宙のハッピーの象徴、
ハッピーベルンに祝福され、
ブラッククリスタルキングの本体さえも退けた。
全宇宙のアンハッピーの結晶がブラッククリスタルキングをなら、
全宇宙のハッピーの象徴こそがふしぎ星のふたご姫。
ファインとレイン。
2人を中心に笑顔は広がる。
そう・・・
その笑顔の陰に隠れて生まれるアンハッピーには目を向けず。
ひみつ星には目を向けず、にね。
偽善だわ・・・
長い時間、待ち続けて、
やっとその目標は定まった。
ふしぎ星のふたご姫。
そして、ロイヤルワンダー学園のソレイユベル。
ハッピーの象徴。
それらを砕くことで、ひみつ星の秘密を知らしめる。
ひみつ星の秘密の扉を開けてから、
数えきれない星空と陽の登る空を見てきた。
ずっと独り。
でも・・・
それがやっと終わりそう・・・
今、私は準備を終えようとしている。
全宇宙最強の希望の輝きに挑むために・・・
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実はふたご姫無印をほとんと見たことがないため、
グレイスさんの詳細は知らなかったりします。
ディティールブック2を読んでみましたが、
イマイチ解らず。
ウィキペディア見ても、どうもチンプンカンプン。
まさに妄想でカヴァー。
2009-11-21 16:22
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