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ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(3) [ふたご姫妄想戦記]

土曜日になると吐血しそうな想いで更新されることがある、
ふたご姫に関係ありそうでなさそうな駄文。

先週はちょっぴりズル休み?

この手のblogの落書きを読んで下さる人がいるかどうかは、
甚だ謎。
なら、何のために?という思いも浮かぶけれど、
もはや、最後までやり遂げるぞ、という気概のみで踏ん張る感じ。

いよいよ物語もかきょー(続いていたのか・・・)

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ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(3)


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◆◇◇◆あらすじ◆◇◇◆


いつも微笑みをたたえている1年C組のルーシア。
ひみつ星のプリンセス。
その笑みに隠されていたのはルーシアの過去、
そして、悲壮な覚悟、
それとひみつ星のヒミツでした・・・

ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(1)
ニコニコ☆ルーシアとひみつ姫のヒミツ(2)

◆◇◇◆第5章 ひみつ姫の覚悟◆◇◇◆


私の微笑み。
それは楽しいから、ではないの。
何も知らないでいる全宇宙の人がおかしいから。

ひみつ星の苦しみを知らずにハッピーでいられる・・・
そんな全てがおかしいから。
だから微笑むの。
ただ・・・それだけ。


「ルーナ?」
「何かしら、ナッチ?」
「ううん。ごめん、変なこと聞いたかな。」
「私がどうしていつも微笑んでいるか―ということかしら?」
「うん。」

そうね。
別におかしなことではないわね。
いつも微笑んでいるばかりで、
表情がない女の子なんておかしいものね。

「別に気にすることではないわ。」
「そうかな。」
「ええ。すこし、昔を思い出していたの。」
「昔?ルーシアの子供のころ?」
明るい声でルーナが話に加わってくる。

私の子どものころ・・・ね。
そんな記憶はないけれど。
だって記憶がある限り、
私はずっとこの姿だったから。

「そうね。昔のことよ。」
そんな想いは微塵も出さずに嘯いてみせる。
ひみつ星のこと、
言ったところで誰も信じられるものではないのだから。

「ルーシアって小さい時はどんな感じだったの?」
キラキラした表情で言いよるルーナ。
そんな純粋な心に、
私はとっておきの一言。

「ひ・み・つ♪」
「・・・うう、ルーシアはいっつもそれだもん。」

「・・・あら?」
ランチも終わって少しした頃、
午後の授業開始5分前を告げる予鈴が聞こえる。
「ナッチ、ルーシア、ロロア、行こう、遅れちゃうよ!」
「うん。はぁ・・・今日は久々にゆっくりできたわ・・・」
「そういえば、トロワさん来なかったわね、今日。」
「なにかあったのかなぁ?」
「・・・テスト近いから。」
「ああ、なるほど・・・」
「トロワさんらしいかも。」

そんなとりとめもない会話をしている少女たち。
それを尻目に、私は立ち上がって、
まとわりついている草を払う。
それから・・・

「私、少し寄って行くところがあるから。」
「へ?」
「みんなは先に帰っていて?」
「え?でも、午後の授業はじまっちゃうよ!?」
「大丈夫。ウーピー先生には話してあるから。」
「そうなの??どこへいくの?保健室??」
ルーナが不安そうな表情で聞いてくる。
心配してくれているのよね。
助かるわ・・・本当に。

「そうね。・・・ひみつ。」
「ぶー!ルーシアはいっつもそう!」
あらあら、可愛らしいわね?.jpg

ほっぺたをかわいらしく膨らませるルーナ。
ふふ・・・指でつつきたくなるわね。
でも、私は行かなくてはいけない。
そう・・・時は熟したのだから。


・・・期待しているからね・・・私のうさぎ姫・・・


「・・・何か言った?ルーシア??」
「いいえ。ルーナ、ナッチ、ロロア、後でね。」
そう言って、みんなと別れた。
ルーナは、いつまでも私の姿を目で追っている。
そこに浮かんでいるであろう表情は見なくても解る。
不安の表情。

ふふふ・・・また、後でね。
ルーナが来てくれないと、どうしようもないんだから。


そして思考を切り替える。
ソレイユベルを消滅させるための方法。
自分の立てた計画を頭の中で再確認する。

そのために、まずは片付けないといけない事。
そう・・・
どうしても、あの子達は避けて通れない。
ふしぎ星のふたご姫・・・


今や全宇宙のハッピーの象徴たるファインとレイン。。
その力は圧倒的、よね?

あの子達に信じる心がある限り―
多くの人から信頼され、愛される気持ち続く限り―
ふたご姫の力は無限大・・・と言ってもいいでしょうね。

たぶん・・・
私の力じゃ、私の魔法じゃ、とてもふたご姫に勝てない。
追い詰めることができるかもしれない。
でも、その後は、きっと逆転ホームラン・・・かしら?
闇が光に勝てる道理はないものね。

ブラッククリスタルキングのように、
私も消滅されちゃうのかしら?
浄化されて終わるのかしら?

・・・ま、それじゃ意味ないんだけど。

だからこそ、
長い時間かけて手は講じてきたのだから。

負けるわけにはいかないの。
ひみつ星のため。
ひみつ星のみんなのため。
こんなに欺瞞にあふれた宇宙を正すため。

私にあるのは、
知恵と魔法と・・・裏切る覚悟。
それで私はふしぎ星のふたご姫に挑む。
夢と希望の守護天使・グランドユニバーサルプリンセスに・・・

◆◇◇◆第6章 ひみつ姫vsふたご姫◆◇◇◆


今日の午後、1年A組は外での授業ことになっている。
それを狙って行動したんだけど・・・
ええ。ちゃんといるわね。

グランドの端の方に、A組の生徒が集まっている。
担任であるタンバ・リンを中心にして・・・
薬草とか野草の学習だったかしら?
皆一生懸命に聞いているわね。


「さて・・・と。」
やるべきことはやってきた。
仕込むべき事は仕込んできた。
あとは、なるようになるかな。

「じゃ、出てきてくれるかしら?」
闇のかけら.jpg

私はポケットから黒い水晶のかけらを取り出して、
いくつか地面に転がした。
小さいけれど、
これはブラッククリスタルのかけら。
私が錬成したもの。

それらから・・
「キシャー!!」
影の使い魔が生まれる。

「シャー!!」
使い魔は本能のまま、
創造主である私にさえ牙をむける。
違うわね。
標的はあっちなんだけど。

突っ込んできた1匹から身をかわして、
おバカな子たちに親切に教えてあげる。

「ねぇ、あっちを見て?」
「キシャーっ!!」
「そう、あっち。」
私の言葉は理解できるのか、
使い魔たちは、私が指さす方へ向きを変える。

「幸せそうな子たちがいっぱいいるでしょう?」
「シャー!」
「憎いでしょう?」
「ギギギ・・・」
「アンハッピーの結晶から生まれたアナタ達から見れば。」
「グギャガガガ・・・」
影の暗みがいっそう濃くなる。。
こんな手で敵意を強めてくれるなんて、
単純で解りやすいわね、ほんと。

「おいきなさいな?心の赴くままに・・・」
「キシャー!!!」
使い魔たちは、断末魔のような声をあげて走って行く。
A組の生徒達の方へ・・・ふたご姫のもとへ。



「これも食べれるのかしら、アルテッサ?」
「どれですの・・・って、それはキノコでしょ!」
「ソフィー、それ毒あるからやめた方が・・・って・・・」
「どうしたの?リオーネ・・・」

「キシャー!!!」

「あれ・・・使い魔だわ!なんでっ!?」
「なんですって!?」
「結構な数がいる?どうして・・・」
「もう、ブラッククリスタルキングはもういないんじゃ??」
「レイン!」
「ファイン!!」
「キュキュ!ピュピュ!行くよっ!」


とりあえず、まずは遠くからその様子見ね。
ファインとレインは、すぐさま魔法の力で変身。
襲ってきた使い魔に応戦する。

その時、私は見逃さなかった。
ハッピーベルンの色が本来の色ではなかったことを。
そう・・・ハッピーベルンの色は、黒かったの。

・・・OK。
イケるわね。大丈夫。
少しだけ安堵できるわね。
でも、まだまだ気は緩められない・・・

そんなことを思っている内に、
ファインとレインの力で次々浄化されていく使い魔たち。
あっという間に、最後の1匹も光となってしまう。
じゃ、行きましょうか?

「ふぅ・・・終わったかしら、ファイン?」
「うん。でも、なんだったんだろうね。」
「そうね・・・」

パチパチパチ・・・

「え?誰?」
「いつのまに??」
私は、ふたご姫の偉業を称えるため、
彼女たちのすぐ近くに移動して、拍手をしてあげた。


「こんにちわ。すごいわね、本当に。」
「あなたは?」
「あ、こんにちわ。えっと・・・ルーナと一緒によくいるよね。」
「ええ。C組のルーシアよ。」
あっけらかんとしているファインと比べて、
レインの方は険しい表情を私に向ける。

ま、普通はそうでしょうね。
えっと・・・
確か青い方の子・・・レインがお姉さんだったかしら。
多少はしっかりしているワケね。

「そのルーシアが何でこんな所にいるの?」
表情は険しいままにレインが問う。

「そうね・・・ひみつ、かしら。」
「は?」
「ファイン、レイン、気をつけて!!」
「ローズマリー??」
ファインとレインの前にローズマリーが走りだしてきた。

「どういうこと、ローズマリー?」
「この人・・・危険よ・・・」
ローズマリーは私にニラみを効かせる。
あら、怖いわね、本当に。


「なんなのじゃ、お主わ~」
「そうよ。なんなのよ!」
「エリザベータ様の前で失礼よ!」
「C組の授業はどうしたの?ルーシアさん、戻りなさい。」
「ニコニコしてるだけじゃ解らないわよ!」
「さっきの使い魔と何か関係があるの??」

口ぐちに好きなことを言ってくれるわね。
う~ん・・・
ふたご姫以外はちょっと邪魔になりそうね。
しょうがないかな。

「じゃ、またお願いね?」
そう言って、私はA組の目の前で、
黒い水晶の破片をバラ撒く。
そこから生まれてくる使い魔達。

「!!」
「な・・・アナタが!?」

再び使い魔たちがふたご姫たちに襲いかかる。
でも・・
「ファラリラ!」
「ララリラ!」

すぐに浄化の光の前に、
次々と消滅していく使い魔たち。
ま、百戦錬磨のふたご姫に適う筈もないわね。


「ファイン、気をつけて!この娘も操られているのかも!?」
「うん!トーマやエドちんと一緒だね!」
「へ?私?操られている?」

・・・
・・・あー、なるほど。
そう考えるのが普通ね。

「違うわよ、お二人さん?」
「え?」
「私が操っていたの。全て。」
「・・・???」
「わからないかしら?操られるているのでなく、操っていたの。」
「な、なにを言っているの、この人・・・」
「わからないわ、ファイン・・・」

ファインとレインだけでなく、
その場にいる全員が私の言葉に混乱していた。
「全部、私のせいなの。トーマも、エドワルドも、そして・・・」
「・・・」
「そんな・・」
「ブラッククリスタルキングも。」
「ウソッ!?」
「本当よ。」
ま、にわかには信じられないでしょうけど。

「あなたみたいな女の子が・・・」
「信じられない・・・」
驚きの表情を隠せないふたご姫。
「そうね。人は見た目じゃないってことかしら?」
そんな幸せそうなお姫様たちに、
サラリと現実を教えてあげる。

「ファイン!」
「レイン!」
声をかけ合ったかと思うと、
ふたりは同時に私に向かって魔法の輝きを放つ。
でも・・・

「眩しいわね?」
使い魔じゃないのだかから、
ファラリラララリラ言われた程度で消えることなんてないのに。
「効かない!?」
「なら・・・」

ふたご姫から光の翼が生まれる。
ハッピーベルンの祝福の光・・・
ファインとレインが奏でる幸せの鐘の音。
ブラッククリスタルキングさえも打ち破った、
純然たる高貴な輝き。

流石に、コレを真っ向勝負は危険よね。
私でも全てを受けきるのは無理だから・・・
かと言って、逃げるわけにも行かないの。

でも・・・大丈夫。
この瞬間に合わせて、私は手を打ってきた。
この時を待っていたのよ。

「きゃー、あれ~、助けて~。」
いきなり外した声で助けを求めてみる。

「な・・・急に何を・・・」
「ファイン!騙されちゃだめよ!」
「う、うん!」

奏でよ ハッピーベルン!
我らに光の翼と祝福を!!!

私に向けられる祝福の光・・・
ところが、そんな私の目の前に人影が踊りこんだ。

「ええっ!?」
「あなた・・・!?」

ファインとレインの光を受け止めたのは・・・。
ルーナだった。
そう。
ハッピーベルンを持つ3人目の少女。
王冠なきプリンセス、ルーナ。

「ファインさん、レインさん、やめて下さい!」
ルーナは必死に2人の魔法を食い止める。

「どいてルーナ!」
「その人がブラッククリスタルキングを操ってたのよ!!」
それでもルーナはどかない。
事実を知っても、ルーナは私を庇い続ける。
「・・・でも・・・でも・・・」

本当ならば、ルーナの力ではふたご姫に敵わない。
同じハッピーベルンを持っていても。
同じソレイユベルに祝福を受けても。
ルーナはグランドユニバーサルプリンセスではないのだから。

でも今、ルーナはふたご姫の力を抑えている。
それはルーナの力が強くなったとか、そんな理由じゃない。
ふたご姫が力をセーブしているからと、
それにもうひとつ・・・
ふたご姫のハッピーベルンが限界だから。。

「ルーシア・・・」
「ルーナ・・・ありがとう。きっと来てくれると思っていたわ。」
そう。
そうするように仕向けたのは私。
純粋なルーナは、必ず私のところへ来るでしょうから。

「ルーシア!みんなに訳を話して!!」
ルーナの悲痛な叫び。
「もう黒い水晶は捨てて!」
「・・・これ?」

ルーナの背に守られながら、
私は黒い水晶を指の間に入れて、
キラキラと光らせて見せる。

「そうね。捨てるわね。」
ルーナの言う通り、その辺りに水晶をばら撒く。
とたんに、それは使い魔となって奇声をあげる。
「キシャー!!」

「ルーシア!!ダメだよ!そんなことしちゃダメだよ!」
ふたご姫の祝福の力を受け止めながらも、
私の方を気にし続けるルーナ。
・・・あら、結構やるのね。
意外だわ。

「レイン、みんなが!」
「使い魔を先になんとかしないと・・・」

ルーナが止めていた魔法の光がかき消える。
ファインとレインの矛先は私とルーナから、
クラスのみんなを守るために使い魔へ。

でも、それじゃあ意味ないのよ。
ちゃんと潰し合ってもらわないと、ね。

私は持っていた黒い水晶のかけらを、
今度はふたご姫に向かって投げつける。
かけらはひとつにまとまって・・・
そこから現れる竜のよう大きな使い魔が現れる。

A組のみんなの所に急ぎたいファインとレイン。
でも竜の使い魔が邪魔をする。

「どいて!!ファラリラっ!!」」
「ララリラ!!」

使い魔に向けられる祝福の光。
すぐさま、私は使い魔の横に走り込んだ。
そして・・・
「きゃー、タスケテー」
ちょっとワザとらしいけれど、ね。

でも、その声にちゃんとうさぎ姫は飛んできてくれる。
使い魔は一瞬で光に還ったけれど、
またも私の前でルーナが身を呈して庇ってくれる。
ふふ・・・ありがたいものね。

「だ、ダメ・・・」
「ルーナ、どいてっ!!」
ファインが叫ぶ。
でも、私のルーナは絶対にどかない。

「ファインさん、レインさん・・・ルーシアを攻撃しないで・・・」
ふたごの光をルーナのハッピーベルンは食い止める。
「ルーシアには・・・きっと・・・ワケがあるんです・・・」
「ルーナ・・・」
「あなた・・・」


単純な力比べ。
ふたご姫の魔法の力とルーナの魔法の力。
当然、ふたご姫の方が圧倒的に強いから、
普通なら勝負はすぐにつくのだけど・・・

普通じゃない事態がふたご姫の身に起こっていた。
黒くなったハッピーベルン。

それは、少し前に祝福で救えなかった女の子に対する謝罪の念。
信じる心はふたご姫の力。
でも、助けられなかった人がいることで、
ベルンを信じる心に陰りができた。

そうね・・・。
アロマのおかげで、
今、ふたご姫の純真無垢な心に小さな小さなが疑心が生まれた。

いいえ。
私がそうしたの。

絶対に救われないアロマという存在。
それをふたご姫と出会わせることで、
信じる心にゆらぎを与えたの。

そうすることでハッピーベルンの力は弱まる。
ファインとレインの絶対的な純粋が薄まると思って。
その通りになったわね。

一方のルーナは頑なまでの純心で、
穢れをしらない真雪のように真っ白な心。
だから、信じる力も圧倒的。

私のことを心から心配して、
そして信じてくれている。
守ってくれている。

そうなるように・・・私がしたの。
そう・・・私がしたの。
ルーナをこんな風に・・・


今、ふたご姫とルーナの力は拮抗していた。


でも、それはいつまでも続かない。
どうしてか・・・って?

そうれはそうでしょう?
だっての片方のハッピーベルンは・・・

「!!」
「ファイン、ベルンがっ!?」

ファインとレインも気がついたみたいね。
黒くなったハッピーベルンの異常さに。

よく見ると、ベルンに小さな亀裂が入っている。
信じる心に付け入る僅かな闇。
心のどこかで疑う気持ち。
ふたごの心とハッピーベルン。
2つは強くつながっているから・・・

だからこそ、
ふたご姫の心に生まれた影はベルンを蝕み、
そして・・・

バキン!

ハッピーベルンが大きな音を立てて折れる。

「そんな・・・」
「ベルンが折れるなんて・・・」

ハッピーベルンとふたご姫。
強くつながる2つの一方が折れた。
となると、もちろん・・・

「ファイン・・・・」
「レイン・・・」
ふたご姫の心も折れる。
ファインとレインはその場に倒れこんでしまった。


「ちょ、ちょっと!ファイン、ファイン、しっかりして!!」
「レイン、大丈夫!!レイン!!」
騒然とするA組の生徒たち。
ふたご姫に駆け寄って、揺らしたり、頬を張ったり。

ファインとレインの目は開いている。
でも、その瞳に光はない。
そう。
ちょうど、ブラッククリスタルキングを倒した時と同じように。
でも違うとしたら、
今回はそう簡単にはふたりに心が戻らないことかしら。

なんといっても、ハッピーベルンが折れたんだから。
戻るわけなんて、ないわよね。
・・・容易くは、ね。。

闇の力では光を消すことはできない。
だってそうでしょう?
光の中に闇が生まれることはあるけど、、
闇の中には光は生まれない。
闇って、光がないとどうしようもないものなのよね。
だから、闇で光を消し去ることはできないの。

光を消し去りたいならば、
それより強い光を生むしかないの。
私はそれを実行しただけ。
もちろん、片方の光を弱くすることも忘れずに・・・ね。

長い長い時間をかけて、
少しずつ少しずつ・・・

そして今、やっと私の目的が果たされようとしていた。
やっと・・・ね。

◆◇◇◆終章 ひみつ星のルーシア◆◇◇◆


ふたご姫は沈黙し、
周りの面々はなにも出来ず、
ただあたふたしているだけ。
もう、ここにいる理由は無いかしら。

ふと、ルーナに目を向ける。
ことの重大さを理解したのか、
ただただルーナは呆然としている。

まさか、私を救うために頑張った結果で、
ふたご姫をこんなにしちゃんなんて・・・ね。
考えてもいなかったかしら?

いつも一生懸命なルーナ。
今回だってそう。
信じている友達を助けようとしただけ。
それが生んだ悲劇。

ふふ・・・ありがとう。
大好きよ、ルーナ。

「さて、と。」
次の目的の場所に行かないと・・・

「ルーシアぁ!!」
私の背後から叫びとともれるルーナの呼び声。
「なにかしら?ルーナ。」
「ファインさんと・・・レインさんが・・・私、私・・・」
「助かったわ、ルーナ。」

ルーナは目にいっぱいの涙をためて、
すがるように私を見つめる。
「・・・違うよね?」
「あら、なにが?」
「違うよね?イーヤオさんが言っていたこと。」
「・・・」
「私を利用するとか・・・ファインさんとレインさんが・・・」
「ふふ・・・ありがとう、ルーナ。」
「ルー・・・シ・・・ア?」

「ばっちりだったわ。アナタ。」
親指を立てて、とびっきりの笑顔をトモダチに向ける。

「だって、私の思い描いた通りなんですもの。」
「!!」
「本当に。利用する価値十分だったわ、ね?」
「そんな・・・そんな・・・嘘・・・嘘だよね・・・」
「おバカなウサギ姫ちゃん?」
「うそ・・・うそ・・・違うよね・・・違うよ・・・」

ショックを受けているルーナに、
私はいつも通りの笑顔を贈る。
「じゃ、バイバイ。」
そしていつものように、お別れの挨拶をした。

それから、ルーナに背を向けて歩き出す。
振り返らずに・・・

すぐさま、
私の背後でルーナが泣き崩れたのがわかった。
彼女が涙を流しているのが・・・わかった。

・・・そうね。
その方がいいわ。
私とね・・・
友達とか、そんな気、持たない方がいいわね。
私、憎まれる方が気も楽だわ。

それがね、私なの。
ひみつ星のルーシアなの・・・

さっきの挨拶。
アレ・・・最後の挨拶になるかしら。
そうね。
本当はその方が良いのだけど・・・ね。

そんなことを考えながら、目的の場所に急ぐ。
ふたご姫がいなくなった今、
余裕を持って・・・
というわけにはいかないのよね。
実際の所、あんまり時間がない気がするのよ。


ふたご姫、あとどれくらいで立ち直るかしら。
5日?
それとも明日には復活してるかしら?
いいえ。もっと早いかもしれない。
可能性が無いわけではないのだから。
急がないと。

あの子達には支える者がたくさんいる。
それが厄介なのよね。
かといって、ふたご姫にかかわる者全員を排除する時間はない。
それに、そんなつもりもないしね。

3日も余裕があれば十分だけど・・・
心にゆとり、ない状況。
ここまできて、ハイ、失敗しました、
・・・では笑い話にもならないわ。


空を見上げると、白昼に月が見える。
そしてそのとなりには・・・ホワイト星。

ブラッククリスタルキングが呼び寄せたブラック星。
今では浄化されてホワイト星になったけど・・・
それは今でもロイヤルワンダープラネットの傍らにある。
純白の美しい星。

あの星が次ぎの目的地。
そして、私の最後の場所・・・かしら、ね。

◆◇◇◆エピローグ◆◇◇◆


「学園長先生、安全な場所に隠れていて下さいっ!!」
「でも、ビビン・・・」
「ビビンの言うとおりです、学園長先生!」
「もはやホワイト学園は、あの侵入者のためにメチャクチャです!」
「それにホワイト星の全域に使い魔が溢れかえっています!」
「一体、なんなのよ!もうっ!!」
「ビビン・・・」


「あら、よかったわ。見知った顔がいてくれて。」
「!!あなた・・・確か・・・」
「覚えていてくれました?ビビン先生?」


あれからすぐ、私はホワイト星に移動した。
そして、あっという間に使い魔を星中に溢れかえらせた。
逃げまどう人々。
その間に、私はホワイト学園に侵入。
そして学園は大混乱。

今、学園の一番奥の学園長の部屋に来たんだけど・・・
なるほど。
ビビン先生をはじめ、みんなココに逃げ込んだんだ。
こちらとしては好都合かな?
ドームの天井で、結構広い部屋ね、ココ。

「あんた、確かルーシナだったわね!」
「あら、先生?生徒の名前、間違っては駄目よ?」
「・・・え、そうだっけ・・・えっと・・・」
「ルーシアよ、ビビン先生?」
「そ、そうよ!ルーシアだったわね、ルーシア!」
「あらあら、本当に駄目な先生でわ。ビビンセンセ?」
「かっちーん!それより、そのルーシアが何してるのよ!!」

そうね。
確かにホワイト星をこんなにして、何をしてるのかしら。
ふふふ・・・考えてしまうわね。

「な、なによ・・・学園長先生には指一本だってふれ・・・」
「ええ。別に興味はないから大丈夫よ?」
「させないん・・・って、へ?じゃ、目的はなんなのよ!」

目的。
そう、目的、ね・・・

「ビビン先生、みなさんこちらに?」
「そうよ!あんたの使い魔なんか、私たちがやっつけてやるわ!」
「そう・・・助かるわ。」
「な、何がよっ!?」
「それじゃ、邪魔だから席を外してくださいね?」
「へ??」
「バイバイ♪」

私は、学園長室に居た全員を魔法の力で転移させる。
一カ所に居てくれないと、大変なのよね、これって。
ホワイト星の住人も同じように、
使い魔を使って一カ所に集めさせて転移させた。


場所?
適当に・・・そうね、
ロイヤルワンダープラネットのどこかに行ったと思うわ。

ビビン先生達を飛ばして最後。
これで、この星に誰もいなくなった。
ホワイト星にいるのはただ1人・・・そう、私だけ。
ひみつ星のプリンセス・ルーシアだけ。


・・・だって、誰かが残っていたら寝覚めが悪いでしょう?


いよいよ、最後の計画を発動させる時、ね。
「さあ、ホワイト星、頑張ってね?」

私はありったけの魔法の力で、ホワイト星を動かした。
その先にはロイヤルワンダープラネットが・・・
ロイヤルワンダー学園が・・・
ソレイユベルがある。

「さあ・・・止めれるかしら、ソレイユベル?」

闇から解放され光に転じた希望の星・・・
そんなホワイト星による、突撃。
止めれるものなら、止めてみなさい。

ファインとレインがいない今、
貴方を守る者は誰もいない・・・

全宇宙の幸せを司るソレイユベル。
それを砕いて、皆に知らしめるの。
ひみつ星のおかげで、あなた達は笑っていられるって。
ひみつ星のおかげで、あなた達はハッピーなんだって。
そして、そのためにひみつ星はずっと頑張ってきたと。

そんなひみつを知って、今までのように笑っていられるかしら?
今までのように、何も知らずにハッピーな気持ちになれるかしら?

ホワイト星はゆっくりと、
でも確実にソレイユベルに向かって移動を始める。


私とひみつと願いをのせて・・・

◆◇◇◆終わり◆◇◇◆


長いです。
長文です。
の割には絵が少ないのが駄目スギです。
トホホ。
本当はソフィとかリオネとかも描きたかったのに・・・

とはいえ、
ダラダラ続いてきたコレも
いよいよ最終局面です。

ちゃんと終われるかな・・・心配・・・(えー!)
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