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発生。止まってお願いハウリング♪(無音イリストーリーズ02) [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]

4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その2です。

いよいよ「歌っちゃダメ!」な理由が判明!?

■01話はコチラ

★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★


無音イリ ストーリーズ 02


発生。止まってお願いハウリング♪


★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★


あたしは歌った。
一生懸命に、想いを込めて。
最高の声で。
その・・・つもりだった。


でも、回りの人は耳をふさぎ、ヘッドフォンを投げ捨てた。
え・・・なんで!?
あ、あたし、音痴なの?
・・・そう思ったけど・・・違う。
nakine_hauringu_02.jpg

周りの壁がビリビリと振動している。
ガラスにヒビが入る。
あ、消火栓のフタが飛んだ・・・
なに、これ・・・嘘・・・何が起こってるの??


「やめ・・・歌うのをやめろ!」
「あ・・・」
あたしは歌うのをやめる。
同時にまわりの振動も止まる。


でも、そこには散々な状況が広がっていた。
ヒビが入って崩れる壁やガラス。
まるで投げ捨てられたかのような楽譜の束。
フタが外れて泡を吐き出す消火栓。


・・・何が・・・起こったの??
わからない・・・ワカラナイ・・・
あたし、歌っただけだよね?
なんでこんな事になるの??


「あの・・・」
あたしは恐る恐るガラスの向こうに目を向ける。
そこには怒りをあらわにしたスタッフの人たち。
目はあたしを睨みつけていた。


「くそ・・・こんなことになるなんて。」
「ハウリングだな。それも凄まじいものだ。」
「調整が必要ですね・・・かなり時間のロスです。」
「予算はっ!?・・・あ~、稼働はしたのにっ!!」


怒り、悲しみ、絶望・・・
どうして?
あたしは歌っただけだよ?
ボーカロイドのお仕事だよね、歌うのって・・・


「あの!」
あたしは大きな声を出してみた。
「なんだ!実験は失敗だ!見てわかるだろうがッ!!!」
「は、はい・・・それで、その、あたしはどうしたら・・・」


怖い・・・怒られた・・・
知らずのうちに目に涙がいっぱい溜まってる。
「そんなの自分で考えろ!」と言われた時には・・・
我慢できなくて、涙がポロポロとこぼれた。


「ちょっといいかしら?」
「は、はい!」
泣いているのを見られるのが嫌で後ろを向いていた。
袖で涙をふいて、ふりかえる。笑わなきゃ!


「貴女ね、再調整することになりました。」
冷静にその女性スタッフの人は言う。
「・・・は、はい。」
再調整・・・それって痛いのかな。


解らないまま、あたしは再び眠りにつかされた。
たぶん、その間に再調整されるんだ。
次はきちんと歌えるようになってるかな・・・
ちょっと楽しみ♪

続く


★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

歌っちゃダメな理由・・・
それは無音イリが生来からもっていたハウリングが原因。
しかし、そもそもなんで歌えばハウリング?
その謎は・・・書けたらいいなぁ(人事かよ!?)
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