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登場。2人の出会いはディスティニー♪~無音イリ ストーリーズ05~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]

4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その5です。

破棄が決定した歌えないボカロ。
泣いて謝るその姿こそ失敗作である証。
ところが、風前の灯火の“あたし”の前に颯爽と現れたのは・・・

■01話はコチラ
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■まとめて見る場合は公式サイト(先行して掲載中)

★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★


無音イリ ストーリーズ 05


登場。2人の出会いはディスティニー♪


★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★


「あの・・・破棄・・・ですか?」
「ああ。」
聞き間違えかもしれない。
そう思って、もう一度聞いてみた。

でも、スタッフの人の言葉は変わらない。
破棄・・・はき・・・ハキ・・・
壊されて捨てられるんだ・・・あたし・・・
何のために生まれてきたのか・・・な・・・

「お前・・・こんな時も笑うのか?気持ち悪いな!」
「ひっ・・・え・・・えへへ・・・」
涙をぼろぼろとことぼしながら、あたしは笑う。
それ以外は謝ることしか・・・できない・・・知らない。

「うっ・・・そ、その・・・すみません・・・」
あたしは膝を折る。
「ごめんなさい・・・う、うう・・・許して下さい・・・」
頭を下げる。何度も下げる。

そして地面に頭をぺちゃりとつける。
だって、許してもらいたいもん。
怖い・・・怖いよ・・・
破棄なんて・・・イヤ・・・そんな痛そうなの・・・ヤダ。

でも、みんな冷淡にあたしを見るだけだった。
「行動パターンも異常ですね。」
「ああ・・・完全に失敗だな。」
「ほんと、コレの存在が開発部にとってイリーガルだよ・・・」

イリーガル-【illegal】・・・違法・・・
あたしは存在しちゃダメなんだ。
やっぱり破棄されないといけないのかしれない。
そもそも、歌えないからボーカロイドでもなんでもないし・・・

泣きながら謝りながら、そして呆れられながら-
そんな風に考えていた。
あたしなんか、いちゃダメなんだ。
だって、誰も喜んでくれない・・・だからこそ破棄される。

「はぁ、はぁ・・・間に合った!」
そこへ誰かが走りこんできた。
誰だろう・・・・?
ショートヘアーの女の人。

「ストップ!ストップです!」
「貴女は・・・」
「君が一体どのような用で?」
「ストップって・・・何を??」

「はぁはぁ・・・決まってるじゃないですかッ!」
そう言って、その人はあたしを背にして立ちはだかる。
庇うように、守るように、あたしの前で両手を広げて。
なんだろう・・・何をしているのだろう・・・この人??

登場!(1).jpg


でも、不思議。
この人の後ろにいると・・・とても安心する。
そう思うの、どうしてかな?
その意味も解らず、だただた、その人の背中をみつめていた-

続く

★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★

登場したの“あの人”こそ、かの有名な・・・人に似ている気がする(えー)。
イリの運命の歯車が動き出す・・・の?(聞くな)
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