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装着。その髪留めはコンパクトディスク♪ ~無音イリ ストーリーズ 2-4~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]

妄想SSを窘めるために存在するサイト。
目下妄想系ボーカロイド無音イリの物語を記してますが、
もう一つも亀のアユミで掲載中。
まほろばハーモニーズ。
興味を持たれた方がらっしゃるなら是非によしなに。
そしてココでは謳っちゃダメな第2部第4話♪
イリの髪留めがCDの謎、遂に明かされる!!(そんな大げさなもの?)

■まとめて見る場合は公式サイト→

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無音イリ ストーリーズ 2-4

装着。その髪留めはコンパクトディスク♪

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「姉さん、このCDを今使ってもいいですか?」
あたしは今貰ったCDをケースから取り出して見せた。
「使う?そりゃいいけど・・・ここにCDデッキないでしょ?」
それから考えた“とっておき”を実行するべく行動を開始する。

ハヤワザですよ~.jpg


「見ててね♪」
ボロボロのリボンを瞬時にほどき、手早くCDの小さな穴に髪を通す。
自分で言うのもなんだけど、なかなかの早業。それは一瞬のハヤワザ。
姉さんも目を丸くしてた。

「す、すごいじゃない、イリ。」
姉さんに褒められて、あたしは頬を染める。
「へへへ・・・」
褒められるのなんて、稼働した時以来かな。

「でも、CDって髪を結ぶためのものじゃないのよ。知っておいてね。」
指を立てた姉さんにすぐにピシャリと言われた。
「・・・は、はい。」
一応知ってます・・・それくらいは。

「・・・ご、ごめんなさい。姉さんの大切なCDを・・・すぐに・・・」
あたしは泣きそうになって、すぐにCDを取ろうとしたけど・・・
でも、抜けない・・・当たり前だよね、髪の毛のボリュームすごいから。
考えてみたら、あたしってバカすぎ-姉さんに嫌われちゃうよ!?

「いいわよ。」
でも、半泣きのあたしに声をかける姉さん、とても優しい表情だったの。
「面白いわね。髪の毛をCDで結んでる子なんて、貴女くらいじゃない?」
「・・・でも、でもっ!!」

「ま、貴女が有効に使ってくれるなら、そのCDも喜ぶでしょ?」
「姉さん・・・う・・・うう・・・」
なんて優しい人なのだろう。
もう、あたし、泣くのを堪えられなくなっちゃって―

「ほら、簡単に泣かないの。そんなじゃ、これから社会生活送れないぞ?」
「ううう・・・ぐすん。ハイ。」
姉さん・・・あたしはどうしら、姉さんの御恩に報いれますか?
どうしたら姉さんを笑顔にさせてあげられますか?

姉さんに頭をなでられながら考えていた。
それから―
ある程度の生活費需品を揃えてくれた後、姉さんは仕事に行った。
でも、あたしは泣かない・・・姉さんにも言われていたから。

これからひとりで生活しなきゃならないことを。
それが大変なことであることくらい、あたしでも想像できる。
・・・でも耐えられる。
だって、姉さんが頻繁に会いに来てくれると約束してくれたから。

それだけで十分。
姉さんのことを想えば、あたしはなんだってできる。
そう、どんな社会生活テストだってこなしてみせるんだからね!!
「ようし!やるぞ!!」とあたしは気合いを入れる。

今日から始まるあたしの一人暮らし。
でも、まずは―そうよね、腹ごしらえをしなきゃ。
そう思って、残っていた乾燥シイタケの袋開けた。
調理の方法知らないから・・・とりあえず、そのままカジった。

口に広がるまろやかな歯ざわりに加えてその濃厚な(略)
姉さんとシイタケがあればあたしは生きていける。
そんな気がした。
シイタケを頬張りながら。

研究所から出たあたしは―今までとはまったく違う環境にいる。
そして、今はもうイリーガルじゃなくて、貰った名前がちゃんとある。
歌えないから、ボーカロイドとも呼べない身だけど・・・
でもそんなあたし―無音イリの社会生活がいよいよ始まるの!!

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イラストはいつも試行錯誤。
そして、第2部も中盤へ。
題名の漢字、第2部は「く」で終わるモノでまとめてます。
でも、次からのバイト編2話だけは違う漢字だったりします。
妙なこだわりが炸裂してたりするのはソっとした秘密(えー!?)。
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