提案。さよならあたしのラボラトリー♪~無音イリ ストーリーズ10~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
時間が取れなくて軽く泣けます。
ハートキャッチは見れておらず視聴日記できません。
仕方なく、妄想ボーカロイド、無音イリの物語を。
第1部全12話もラスト目前?
破棄決定寸前のイリを救う「とっておきの手だて」とは?
MEIKOの知性が輝く感じの第10話♪(はぁ?)。
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■08話
■09話
■まとめて見る場合は公式サイト
「だが君ね、愛だのなんだのではどうにもならないよ。」
「まったくですよ!!予算は感情ではどうしようもないです。」
その言葉に、その人はあたしを優しく放してスッタフの人へ振り返る。
「わかっています。」
それから立ち上がって、こう切り出した。
「だから、この子に最後のテストをさせてくれませんか?」
「最後の・・・テスト?なんだね、それは?」
「その機体が行うテストなんてもうないのでは??」
最後のテスト・・・
なんだろう?
どんなテストなのだろう?
あたしには全然想像がつかない。
「はい。簡単に言うと社会生活テストです。」
「なんだね?社会生活?」
「ええ。ボーカロイドは社会で生活が送れるかのか―」
「・・・」
それから笑顔でこう言った。
「それを確認するための実地でテストを行うんです。」
「―!!・・・なるほど。その手があるか。」
スタッフの人たちがその言葉に納得する。
でも、やっぱりあたしにはさっぱり意味がわからない。
社会生活?
実地テスト?
どういうことだろう・・・
「わかった君の意見を採用しよう。なるほどな、社会生活テストか。」
「確かに、それなら費用をかけずに失敗作を処分できますね!!」
「いやぁ。なかなか有難い大義名分じゃないか!!」
「・・・」
その人・・・MEIKO様は何か釈然としない表情をしていた。
でも、頭をひと振りするとすぐに表情を切り替える。
「ありがとうございます。では、この子は私が預かります。」
「ああ、そうしてくれたまえ。すぐにテストを始めよう。」
テスト・・・また、するんだ。今から?
えっと・・・社会生活のテストだっけ??
「イリーガル、お前を今日付けで開発部からの出所を命ずる。」
「え!?」
・・・そ、それって研究所から・・・出て行けってことですか・・・
「あ、あの・・・あの・・その後はどこで何をすれば?」
「さぁな。」
取りつく島がない言葉。
そんな・・・
社会生活テストって・・・捨てられるってことですか??あたし??
「まって下さい!!」
そこへMEIKO様が噛みついた。
「それじゃあ、この子のテストデータはどこへ送ればよいのですっ!?」
「データ?あぁ、送る必要はないよ。」
「どうしてですかッ!?」
「この機体が稼働している限りシグナルが出ている。それで十分だよ。」
「~~~~ッ!!」
何かを言いたげにしていたけれど、途中でやめたMEIKO様。
少し表女が怖い・・・でも、あたしの手を取ったかと思うとスグ-
「行きましょう。テストを始めます!」と足早に歩き始めた。
「え・・・は・・・はい。」
あたしは手を引かれるままに歩き出す。
どちらかというと、引きずられている感じに近いかも。
だって・・・引かれてる手が痛い。
そして、あたしは着のみ着のままで研究所を出た。
外に出るのは初めて・・・だからすごく新鮮!!
一応、窓からは見たことあったけど。
緑の木々の下しばらく歩くと、ふと握られていた手が離されたの-
セル塗りの練習とか意識してみて。
髪の毛の色があっちこっちするのは仕様です。
・・・修行します(えー)。
ハートキャッチは見れておらず視聴日記できません。
仕方なく、妄想ボーカロイド、無音イリの物語を。
第1部全12話もラスト目前?
破棄決定寸前のイリを救う「とっておきの手だて」とは?
MEIKOの知性が輝く感じの第10話♪(はぁ?)。
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■08話
■09話
■まとめて見る場合は公式サイト
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 10
提案。さよならあたしのラボラトリー♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「だが君ね、愛だのなんだのではどうにもならないよ。」
「まったくですよ!!予算は感情ではどうしようもないです。」
その言葉に、その人はあたしを優しく放してスッタフの人へ振り返る。
「わかっています。」
それから立ち上がって、こう切り出した。
「だから、この子に最後のテストをさせてくれませんか?」
「最後の・・・テスト?なんだね、それは?」
「その機体が行うテストなんてもうないのでは??」
最後のテスト・・・
なんだろう?
どんなテストなのだろう?
あたしには全然想像がつかない。
「はい。簡単に言うと社会生活テストです。」
「なんだね?社会生活?」
「ええ。ボーカロイドは社会で生活が送れるかのか―」
「・・・」
それから笑顔でこう言った。
「それを確認するための実地でテストを行うんです。」
「―!!・・・なるほど。その手があるか。」
スタッフの人たちがその言葉に納得する。
でも、やっぱりあたしにはさっぱり意味がわからない。
社会生活?
実地テスト?
どういうことだろう・・・
「わかった君の意見を採用しよう。なるほどな、社会生活テストか。」
「確かに、それなら費用をかけずに失敗作を処分できますね!!」
「いやぁ。なかなか有難い大義名分じゃないか!!」
「・・・」
その人・・・MEIKO様は何か釈然としない表情をしていた。
でも、頭をひと振りするとすぐに表情を切り替える。
「ありがとうございます。では、この子は私が預かります。」
「ああ、そうしてくれたまえ。すぐにテストを始めよう。」
テスト・・・また、するんだ。今から?
えっと・・・社会生活のテストだっけ??
「イリーガル、お前を今日付けで開発部からの出所を命ずる。」
「え!?」
・・・そ、それって研究所から・・・出て行けってことですか・・・
「あ、あの・・・あの・・その後はどこで何をすれば?」
「さぁな。」
取りつく島がない言葉。
そんな・・・
社会生活テストって・・・捨てられるってことですか??あたし??
「まって下さい!!」
そこへMEIKO様が噛みついた。
「それじゃあ、この子のテストデータはどこへ送ればよいのですっ!?」
「データ?あぁ、送る必要はないよ。」
「どうしてですかッ!?」
「この機体が稼働している限りシグナルが出ている。それで十分だよ。」
「~~~~ッ!!」
何かを言いたげにしていたけれど、途中でやめたMEIKO様。
少し表女が怖い・・・でも、あたしの手を取ったかと思うとスグ-
「行きましょう。テストを始めます!」と足早に歩き始めた。
「え・・・は・・・はい。」
あたしは手を引かれるままに歩き出す。
どちらかというと、引きずられている感じに近いかも。
だって・・・引かれてる手が痛い。
そして、あたしは着のみ着のままで研究所を出た。
外に出るのは初めて・・・だからすごく新鮮!!
一応、窓からは見たことあったけど。
緑の木々の下しばらく歩くと、ふと握られていた手が離されたの-
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
セル塗りの練習とか意識してみて。
髪の毛の色があっちこっちするのは仕様です。
・・・修行します(えー)。
再会。見出せあたしのポシビリティ♪~無音イリ ストーリーズ09~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
妄想ボーカロイド、無音イリの物語。
第1部全12話もいよいよ佳境。
絶体絶命のピンチに再び現れた“あの人”。
そして告げられる真実とは・・・?
勝手に盛り上がって白ける感じの第9話♪(えー)。
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■08話
■まとめて見る場合は公式サイト
「君・・・またかね?」
勢いよくドアを開けて転がり込んできたのはあの人―
前にあたしを助けてくれた命の恩人―
それ以来、会いたいと願っていた人―
「まさか今度も破棄をやめろ、って言うんじゃ・・・」
「当たり前ですっ!!」
力強くその人は言った。
言葉には一歩も譲らないという気概を感じる。
「流石に今度ばかりは無理だな。諦めてくれ。」
「そうですよ。予算がもう続かないのだから。」
でも、スタッフの人たちも譲らない。
聞く耳を持たない。
「しかし君ね・・・」
「はい?」
「なんでそんなイリーガルで歌えない機体の肩を持つのかね?」
その言葉にあたしは目を伏せる。
そうだ・・・
あたしは失敗作の歌えないボーカロイド。
これから生きていて何になるのだろう?
やっぱり破棄されないといけいないのかも・・・
でも、その人は「決まっているじゃないですか!!」と叫んだ。
それから、あたしの思考が木端微塵になるくらい大きな声で―
「妹を庇わない姉がどこにいますかっ!!!」
・・・え、妹?・・・姉??
次の瞬間、振り返ったかと思うとあたしは抱きしめられた。
え・・・ええ・・・えええっ!???
「この子は私の・・・初めての・・・妹なんですよ?」
力強い声に混じる涙声。
「妹を守るのは姉の仕事です!だから・・・」
あたしを抱きしめたまま、キっとスタッフの人たちを見据える。
「だからこの子を破棄するなんて・・・絶対にさせませんッ!!」
「・・・」
涙・・・あれ?これ、あたしのだ・・・
知らず知らずの内にこぼれ落ちるあたしの涙。
こんな風な優しさに触れたこと・・・なかったから・・・
コレ・・・嬉し泣きって・・・言うんだよ・・・ね ―
実はイラストが凄く手抜き。
やり直そうとも思ったけれど、
ま、コレもアレかなぁと思って放置。
不甲斐ないです。トホホ。
第1部全12話もいよいよ佳境。
絶体絶命のピンチに再び現れた“あの人”。
そして告げられる真実とは・・・?
勝手に盛り上がって白ける感じの第9話♪(えー)。
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■08話
■まとめて見る場合は公式サイト
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 09
再会。見出せあたしのポシビリティ♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「君・・・またかね?」
勢いよくドアを開けて転がり込んできたのはあの人―
前にあたしを助けてくれた命の恩人―
それ以来、会いたいと願っていた人―
「まさか今度も破棄をやめろ、って言うんじゃ・・・」
「当たり前ですっ!!」
力強くその人は言った。
言葉には一歩も譲らないという気概を感じる。
「流石に今度ばかりは無理だな。諦めてくれ。」
「そうですよ。予算がもう続かないのだから。」
でも、スタッフの人たちも譲らない。
聞く耳を持たない。
「しかし君ね・・・」
「はい?」
「なんでそんなイリーガルで歌えない機体の肩を持つのかね?」
その言葉にあたしは目を伏せる。
そうだ・・・
あたしは失敗作の歌えないボーカロイド。
これから生きていて何になるのだろう?
やっぱり破棄されないといけいないのかも・・・
でも、その人は「決まっているじゃないですか!!」と叫んだ。
それから、あたしの思考が木端微塵になるくらい大きな声で―
「妹を庇わない姉がどこにいますかっ!!!」
・・・え、妹?・・・姉??
次の瞬間、振り返ったかと思うとあたしは抱きしめられた。
え・・・ええ・・・えええっ!???
「この子は私の・・・初めての・・・妹なんですよ?」
力強い声に混じる涙声。
「妹を守るのは姉の仕事です!だから・・・」
あたしを抱きしめたまま、キっとスタッフの人たちを見据える。
「だからこの子を破棄するなんて・・・絶対にさせませんッ!!」
「・・・」
涙・・・あれ?これ、あたしのだ・・・
知らず知らずの内にこぼれ落ちるあたしの涙。
こんな風な優しさに触れたこと・・・なかったから・・・
コレ・・・嬉し泣きって・・・言うんだよ・・・ね ―
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
実はイラストが凄く手抜き。
やり直そうとも思ったけれど、
ま、コレもアレかなぁと思って放置。
不甲斐ないです。トホホ。
限界。それでもやっぱりブロークン♪~無音イリ ストーリーズ08~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
トロワエトワールの時もそうでしたけれど、
文章が出来ていても絵が出来ない。
だから掲載できない・・・というヘタレジレンマ。
それを超えて・・・
・・・の先に何があるのだろう(upできるじゃん?)
と言うわけで、妄想ボーカロイド無音イリの物語、第8話。
全30話の予定が31話くらいになりそうな予感・・・
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■まとめて見る場合は公式サイト
「だいたいのデータは取り尽くしましたね。」
ある日、端末のデータベースを確認しながらスタッフの人が言う。
あたしは直立不動で待機中。
今日はデータ採取のための実験が一切予定されていない。
「ああ・・・すでにボーカロイド01は順調らしいからな。」
「このデータって・・・それの役に立ちますかね?」
もうひとりのスタッフの人は真剣な表情で肩をすくめる。
「さぁ?」
その後、2人はあたしの方に向き直る。
「で、この失敗作はどうするんですか?」
「そりゃ、今度こそ破棄するよ。これ以上予算は割けないさ。」
あたしはその言葉に息を飲んだ。
あれ・・・?嘘・・・そんな・・・あんなに頑張ったのに・・・
それでもやっぱり破棄されるんだ?
せっかく・・・あの人が助けてくれたのに・・・
駄目なんだ・・・やっぱり駄目なんだ・・・なんで・・・???
どこかで何かの糸がぷっつり切れた感じがして-
それから目の前が真っ暗になった気がした。
立つのも辛くて横の壁にもたれかかる。
どうしよう・・・どうしたら・・・えっと・・・
「あの、あの・・・!!」
「あ?」
あたしはデータを確認していたスタッフさんの前に走りこむ。
そして、地面に頭をこすりつけた。
「なんでもします!なんでも言うことを聞きます!!」
涙で顔をくしゃくしゃにしながら、何度も懇願した。
「お願いします!!お願いします!!破棄は・・・嫌です・・・」
「・・・」
でも、スタッフの人たちは呆れるだけだった。
「はぁ・・・ダメだなこのイリーガルな機体。」
「はい。とんだダメダメ試作機です・・・」
あたしはそれでも構わず一生懸命にお願いした。
だって・・・
だって、あの人に会いたいっ!!
あたしはあの人にお礼も言えてないんですよ?
その前に破棄なんかされたなくない・・・されたくないもん!!!
「ちょっと待って下さいッ!!」
「!!」
大きな声だった。
それは・・・聞いたことのある声でもあった・・・
この声って・・・
間違いない。聞き間違えるはずなんてない!!
だって・・・あの時の声。
この声って、あの時の-あの人の-!?
文章が出来ていても絵が出来ない。
だから掲載できない・・・というヘタレジレンマ。
それを超えて・・・
・・・の先に何があるのだろう(upできるじゃん?)
と言うわけで、妄想ボーカロイド無音イリの物語、第8話。
全30話の予定が31話くらいになりそうな予感・・・
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■07話
■まとめて見る場合は公式サイト
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 07
限界。それでもやっぱりブロークン♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「だいたいのデータは取り尽くしましたね。」
ある日、端末のデータベースを確認しながらスタッフの人が言う。
あたしは直立不動で待機中。
今日はデータ採取のための実験が一切予定されていない。
「ああ・・・すでにボーカロイド01は順調らしいからな。」
「このデータって・・・それの役に立ちますかね?」
もうひとりのスタッフの人は真剣な表情で肩をすくめる。
「さぁ?」
その後、2人はあたしの方に向き直る。
「で、この失敗作はどうするんですか?」
「そりゃ、今度こそ破棄するよ。これ以上予算は割けないさ。」
あたしはその言葉に息を飲んだ。
あれ・・・?嘘・・・そんな・・・あんなに頑張ったのに・・・
それでもやっぱり破棄されるんだ?
せっかく・・・あの人が助けてくれたのに・・・
駄目なんだ・・・やっぱり駄目なんだ・・・なんで・・・???
どこかで何かの糸がぷっつり切れた感じがして-
それから目の前が真っ暗になった気がした。
立つのも辛くて横の壁にもたれかかる。
どうしよう・・・どうしたら・・・えっと・・・
「あの、あの・・・!!」
「あ?」
あたしはデータを確認していたスタッフさんの前に走りこむ。
そして、地面に頭をこすりつけた。
「なんでもします!なんでも言うことを聞きます!!」
涙で顔をくしゃくしゃにしながら、何度も懇願した。
「お願いします!!お願いします!!破棄は・・・嫌です・・・」
「・・・」
でも、スタッフの人たちは呆れるだけだった。
「はぁ・・・ダメだなこのイリーガルな機体。」
「はい。とんだダメダメ試作機です・・・」
あたしはそれでも構わず一生懸命にお願いした。
だって・・・
だって、あの人に会いたいっ!!
あたしはあの人にお礼も言えてないんですよ?
その前に破棄なんかされたなくない・・・されたくないもん!!!
「ちょっと待って下さいッ!!」
「!!」
大きな声だった。
それは・・・聞いたことのある声でもあった・・・
この声って・・・
間違いない。聞き間違えるはずなんてない!!
だって・・・あの時の声。
この声って、あの時の-あの人の-!?
設定。ゼロから始まるプラニング♪~無音イリ ストーリーズ07~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
あわわわ・・・
風邪引いて頭がパニクっていたのか、
お馬鹿なことを・・・
「無音イリ」ストーリーズその6を掲載せず、7を掲載。
ワケが解らない状態に。
なので大急ぎで改変。
今回のが7です。
そして前日の分を6にしてみました(えー)。
スンマセン(誰向け?)
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■まとめて見る場合は公式サイト
運命の人との出会いから数日。
あれからあたしの生活は一変する。
まず歌うことが無くなった。
そして続くのは身体を酷使するテストばかりの日々。
・・・辛い。
体中が痛い。いっつもどこかがズキズキしてる。
全力で重いものを引っぱったり、10分以上水に潜ったり・・・
そんなテスト中、あたしは何度も気絶した。
以前に貰ったピンク色のボーカロイド専用服。
とっても頑丈でよく耐えてくれているけれど・・・
着ている身の方が耐えられない。
やっぱり、あたしって駄目・・・だよね・・・
だから、実験ではあたしはスタッフの皆さんこう呼ばれた。
「おい、イリーガル!」
「次は火の耐久テストだ、無音。」
無音・・・ムオン・・・歌えないボーカロイドだから。
イリーガルとか無音とか・・・
それって、やっぱり嬉しくない。
でも・・・それでも、あたしは良い方だと考えてる。
だって、名前が本当に無いよりまだマシだと思うから。
「タイムは・・・イマイチだな。」
「ぜっ、ぜっ・・・はっ、す、み・・・ごめん・・なさい。」
息が・・・できな・・・くて・・・苦しい。で、でも・・・
「ぜっ、ぜっ・・・ふっ・・・えっ・・・えへ・・へへへ。」
視界が白くぼやける中、あたしは笑う。
笑顔でいようと心がける・・・つもりだけど、笑えてないかも。
涙が止まらないのに、どうして笑うの?
・・・それはたぶん、笑えなくなると捨てられるから。
そんな風に思えて仕方がない。
ホントは、単なる強迫観念かもしれないけど。
でもでも、だって!!
・・・あたしってイリーガルで無音だから-
「ふん、気持の悪い機体だな。次は隣の実験室だ。急げよ。」
「ぜっ・・・ぜっ・・・は・・・い・・・」
笑顔(のつもり)で、重い体を引きずって移動する。
破棄されるのは怖いしイヤ。
でも・・・それだけじゃない。
芽生えた新しい気持ち。胸にある暖かさ。
もしかしたら・・・
また会えるかもしれない。
あの人に。
MEIKO様に・・・
その想いがギリギリのあたしを支える。
だからどんなに限界でも頑張れる。
なんとか次の実験室にたどり着く。
次は・・・加重実験。
また、あたし、気絶するのかな・・・
泣きそうになるのを、必死に抑えた。
あの人に会いたい・・・
破棄されたくない・・・
崩れそうになる気持ちを奮い立たせる。笑え、あたし!!
「ぜっ・・・ぜっ・・・イリーガル、は、入ります・・・!!!」
イリの下着設定は黄色。
緑にも見えなくない気も・・・
本人はあんまり頓着しないある意味天然ボーカロイド。
・・・パンツくらい隠しなさい(えー)。
風邪引いて頭がパニクっていたのか、
お馬鹿なことを・・・
「無音イリ」ストーリーズその6を掲載せず、7を掲載。
ワケが解らない状態に。
なので大急ぎで改変。
今回のが7です。
そして前日の分を6にしてみました(えー)。
スンマセン(誰向け?)
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■06話
■まとめて見る場合は公式サイト
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 06
設定。ゼロから始まるプラニング♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
運命の人との出会いから数日。
あれからあたしの生活は一変する。
まず歌うことが無くなった。
そして続くのは身体を酷使するテストばかりの日々。
・・・辛い。
体中が痛い。いっつもどこかがズキズキしてる。
全力で重いものを引っぱったり、10分以上水に潜ったり・・・
そんなテスト中、あたしは何度も気絶した。
以前に貰ったピンク色のボーカロイド専用服。
とっても頑丈でよく耐えてくれているけれど・・・
着ている身の方が耐えられない。
やっぱり、あたしって駄目・・・だよね・・・
だから、実験ではあたしはスタッフの皆さんこう呼ばれた。
「おい、イリーガル!」
「次は火の耐久テストだ、無音。」
無音・・・ムオン・・・歌えないボーカロイドだから。
イリーガルとか無音とか・・・
それって、やっぱり嬉しくない。
でも・・・それでも、あたしは良い方だと考えてる。
だって、名前が本当に無いよりまだマシだと思うから。
「タイムは・・・イマイチだな。」
「ぜっ、ぜっ・・・はっ、す、み・・・ごめん・・なさい。」
息が・・・できな・・・くて・・・苦しい。で、でも・・・
「ぜっ、ぜっ・・・ふっ・・・えっ・・・えへ・・へへへ。」
視界が白くぼやける中、あたしは笑う。
笑顔でいようと心がける・・・つもりだけど、笑えてないかも。
涙が止まらないのに、どうして笑うの?
・・・それはたぶん、笑えなくなると捨てられるから。
そんな風に思えて仕方がない。
ホントは、単なる強迫観念かもしれないけど。
でもでも、だって!!
・・・あたしってイリーガルで無音だから-
「ふん、気持の悪い機体だな。次は隣の実験室だ。急げよ。」
「ぜっ・・・ぜっ・・・は・・・い・・・」
笑顔(のつもり)で、重い体を引きずって移動する。
破棄されるのは怖いしイヤ。
でも・・・それだけじゃない。
芽生えた新しい気持ち。胸にある暖かさ。
もしかしたら・・・
また会えるかもしれない。
あの人に。
MEIKO様に・・・
その想いがギリギリのあたしを支える。
だからどんなに限界でも頑張れる。
なんとか次の実験室にたどり着く。
次は・・・加重実験。
また、あたし、気絶するのかな・・・
泣きそうになるのを、必死に抑えた。
あの人に会いたい・・・
破棄されたくない・・・
崩れそうになる気持ちを奮い立たせる。笑え、あたし!!
「ぜっ・・・ぜっ・・・イリーガル、は、入ります・・・!!!」
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
イリの下着設定は黄色。
緑にも見えなくない気も・・・
本人はあんまり頓着しないある意味天然ボーカロイド。
・・・パンツくらい隠しなさい(えー)。
到来。初めて感じるフィーリング♪~無音イリ ストーリーズ06~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
スンマセンです。
内容改変。
ぶっ飛ばしていた、
「無音イリ」ストーリーズその6を掲載してます。
いきなり現れた咲音メイコさんと無音イリ。
果たしてその関係は??
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■まとめて見る場合は公式サイト
「この子は・・・破棄させません。」
力強く、ゆっくりとその人は言った。
「な!失敗作だぞ!?なぜだ!?」
「イリーガルな存在にどんなメリットがあるというのかね?」
「メリットならあります!」
自信満々の声でその人は続ける。
「今後のボカロ開発のための耐久力データや活動データ・・・」
「―むッ!?」
その言葉に周りの人は息を飲む。
「必要ですね?この子でならそれができます。」
「だが、歌うことができないボーカロイドなど・・・」
「この子のデータは、今後のボカロ開発の基礎になります!」
その人は一歩も譲らなかった。
あたしは、そのやり取りをただ見つめるだけだった。
颯爽と現れたその人。
あたしを庇ってくれている・・・のだよね?
「ふぅ・・・わかった。」
「!!それじゃあ・・・」
「今回は君の顔に免じようじゃないか。」
「確かにデータは必要だ。他の開発部のイニシヤチブになる。」
「あ、ありがとうございます。」
その人は頭を下げる。
あたしは、ワケもわからず茫然としていた。
急にその人がくるりを後ろを向いて、ウィンクをくれた。
「よかったわね・・・本当に・・・」
「・・・え・・・あ・・・は、ほそっ・・・」
お礼を・・・お礼を言わないといけないのに。
壮絶に噛んだ。ロレツ、回らないよ・・・
その人の笑顔に見惚れててボーっとしてたから。
口の中がカラカラに乾いてて、咄嗟に言葉が出ない。
なのに緊張とかしてなくて、心の中はいっぱいに満たされてる。
優しくし接してくれた・・・生まれて初めてだ・・・
運命の人・・・そう思えた。きっとそうだ。
思いがけない出会い。
名前も知らない人。
でも、全身全霊であたしを守ってくれた人。
「MEIKO君、仕事の方はいいのかね?」
「あ・・・いけない。すぐに戻ります。」
その人は周りの人たちにペコリと頭を下げる。
そして一気に走り去っていた。
MEIKO・・・様・・・って言うんだ。
あたしはその名前を刻みつけた。
忘れない。
絶対に・・・!!!!
その日、破棄されるはずだったあたし。
でも、信じられないような奇跡が待っていた。
MEIKO様。
それはまさに運命の出会いだったの-
なんともお恥ずかしいケアレスミス。
この世界にこの駄文を読んでくださる人がどれほどイルカ・・・
は知らないけれど、もし居るのなら聞いて下さい。
ごめんさい(えー)。
無音イリストーリーズ全30話(予定)。
・・・誤字脱字アップロードミスとの戦い(マジカ!?)
内容改変。
ぶっ飛ばしていた、
「無音イリ」ストーリーズその6を掲載してます。
いきなり現れた咲音メイコさんと無音イリ。
果たしてその関係は??
■01話
■02話
■03話
■04話
■05話
■まとめて見る場合は公式サイト
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 06
到来。初めて感じるフィーリング♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「この子は・・・破棄させません。」
力強く、ゆっくりとその人は言った。
「な!失敗作だぞ!?なぜだ!?」
「イリーガルな存在にどんなメリットがあるというのかね?」
「メリットならあります!」
自信満々の声でその人は続ける。
「今後のボカロ開発のための耐久力データや活動データ・・・」
「―むッ!?」
その言葉に周りの人は息を飲む。
「必要ですね?この子でならそれができます。」
「だが、歌うことができないボーカロイドなど・・・」
「この子のデータは、今後のボカロ開発の基礎になります!」
その人は一歩も譲らなかった。
あたしは、そのやり取りをただ見つめるだけだった。
颯爽と現れたその人。
あたしを庇ってくれている・・・のだよね?
「ふぅ・・・わかった。」
「!!それじゃあ・・・」
「今回は君の顔に免じようじゃないか。」
「確かにデータは必要だ。他の開発部のイニシヤチブになる。」
「あ、ありがとうございます。」
その人は頭を下げる。
あたしは、ワケもわからず茫然としていた。
急にその人がくるりを後ろを向いて、ウィンクをくれた。
「よかったわね・・・本当に・・・」
「・・・え・・・あ・・・は、ほそっ・・・」
お礼を・・・お礼を言わないといけないのに。
壮絶に噛んだ。ロレツ、回らないよ・・・
その人の笑顔に見惚れててボーっとしてたから。
口の中がカラカラに乾いてて、咄嗟に言葉が出ない。
なのに緊張とかしてなくて、心の中はいっぱいに満たされてる。
優しくし接してくれた・・・生まれて初めてだ・・・
運命の人・・・そう思えた。きっとそうだ。
思いがけない出会い。
名前も知らない人。
でも、全身全霊であたしを守ってくれた人。
「MEIKO君、仕事の方はいいのかね?」
「あ・・・いけない。すぐに戻ります。」
その人は周りの人たちにペコリと頭を下げる。
そして一気に走り去っていた。
MEIKO・・・様・・・って言うんだ。
あたしはその名前を刻みつけた。
忘れない。
絶対に・・・!!!!
その日、破棄されるはずだったあたし。
でも、信じられないような奇跡が待っていた。
MEIKO様。
それはまさに運命の出会いだったの-
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
なんともお恥ずかしいケアレスミス。
この世界にこの駄文を読んでくださる人がどれほどイルカ・・・
は知らないけれど、もし居るのなら聞いて下さい。
ごめんさい(えー)。
無音イリストーリーズ全30話(予定)。
・・・誤字脱字アップロードミスとの戦い(マジカ!?)
登場。2人の出会いはディスティニー♪~無音イリ ストーリーズ05~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その5です。
破棄が決定した歌えないボカロ。
泣いて謝るその姿こそ失敗作である証。
ところが、風前の灯火の“あたし”の前に颯爽と現れたのは・・・
■01話はコチラ
■02話はコチラ
■03話はコチラ
■04話はコチラ
■まとめて見る場合は公式サイト(先行して掲載中)
「あの・・・破棄・・・ですか?」
「ああ。」
聞き間違えかもしれない。
そう思って、もう一度聞いてみた。
でも、スタッフの人の言葉は変わらない。
破棄・・・はき・・・ハキ・・・
壊されて捨てられるんだ・・・あたし・・・
何のために生まれてきたのか・・・な・・・
「お前・・・こんな時も笑うのか?気持ち悪いな!」
「ひっ・・・え・・・えへへ・・・」
涙をぼろぼろとことぼしながら、あたしは笑う。
それ以外は謝ることしか・・・できない・・・知らない。
「うっ・・・そ、その・・・すみません・・・」
あたしは膝を折る。
「ごめんなさい・・・う、うう・・・許して下さい・・・」
頭を下げる。何度も下げる。
そして地面に頭をぺちゃりとつける。
だって、許してもらいたいもん。
怖い・・・怖いよ・・・
破棄なんて・・・イヤ・・・そんな痛そうなの・・・ヤダ。
でも、みんな冷淡にあたしを見るだけだった。
「行動パターンも異常ですね。」
「ああ・・・完全に失敗だな。」
「ほんと、コレの存在が開発部にとってイリーガルだよ・・・」
イリーガル-【illegal】・・・違法・・・
あたしは存在しちゃダメなんだ。
やっぱり破棄されないといけないのかしれない。
そもそも、歌えないからボーカロイドでもなんでもないし・・・
泣きながら謝りながら、そして呆れられながら-
そんな風に考えていた。
あたしなんか、いちゃダメなんだ。
だって、誰も喜んでくれない・・・だからこそ破棄される。
「はぁ、はぁ・・・間に合った!」
そこへ誰かが走りこんできた。
誰だろう・・・・?
ショートヘアーの女の人。
「ストップ!ストップです!」
「貴女は・・・」
「君が一体どのような用で?」
「ストップって・・・何を??」
「はぁはぁ・・・決まってるじゃないですかッ!」
そう言って、その人はあたしを背にして立ちはだかる。
庇うように、守るように、あたしの前で両手を広げて。
なんだろう・・・何をしているのだろう・・・この人??
でも、不思議。
この人の後ろにいると・・・とても安心する。
そう思うの、どうしてかな?
その意味も解らず、だただた、その人の背中をみつめていた-
登場したの“あの人”こそ、かの有名な・・・人に似ている気がする(えー)。
イリの運命の歯車が動き出す・・・の?(聞くな)
「無音イリ」の物語その5です。
破棄が決定した歌えないボカロ。
泣いて謝るその姿こそ失敗作である証。
ところが、風前の灯火の“あたし”の前に颯爽と現れたのは・・・
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★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 05
登場。2人の出会いはディスティニー♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「あの・・・破棄・・・ですか?」
「ああ。」
聞き間違えかもしれない。
そう思って、もう一度聞いてみた。
でも、スタッフの人の言葉は変わらない。
破棄・・・はき・・・ハキ・・・
壊されて捨てられるんだ・・・あたし・・・
何のために生まれてきたのか・・・な・・・
「お前・・・こんな時も笑うのか?気持ち悪いな!」
「ひっ・・・え・・・えへへ・・・」
涙をぼろぼろとことぼしながら、あたしは笑う。
それ以外は謝ることしか・・・できない・・・知らない。
「うっ・・・そ、その・・・すみません・・・」
あたしは膝を折る。
「ごめんなさい・・・う、うう・・・許して下さい・・・」
頭を下げる。何度も下げる。
そして地面に頭をぺちゃりとつける。
だって、許してもらいたいもん。
怖い・・・怖いよ・・・
破棄なんて・・・イヤ・・・そんな痛そうなの・・・ヤダ。
でも、みんな冷淡にあたしを見るだけだった。
「行動パターンも異常ですね。」
「ああ・・・完全に失敗だな。」
「ほんと、コレの存在が開発部にとってイリーガルだよ・・・」
イリーガル-【illegal】・・・違法・・・
あたしは存在しちゃダメなんだ。
やっぱり破棄されないといけないのかしれない。
そもそも、歌えないからボーカロイドでもなんでもないし・・・
泣きながら謝りながら、そして呆れられながら-
そんな風に考えていた。
あたしなんか、いちゃダメなんだ。
だって、誰も喜んでくれない・・・だからこそ破棄される。
「はぁ、はぁ・・・間に合った!」
そこへ誰かが走りこんできた。
誰だろう・・・・?
ショートヘアーの女の人。
「ストップ!ストップです!」
「貴女は・・・」
「君が一体どのような用で?」
「ストップって・・・何を??」
「はぁはぁ・・・決まってるじゃないですかッ!」
そう言って、その人はあたしを背にして立ちはだかる。
庇うように、守るように、あたしの前で両手を広げて。
なんだろう・・・何をしているのだろう・・・この人??
でも、不思議。
この人の後ろにいると・・・とても安心する。
そう思うの、どうしてかな?
その意味も解らず、だただた、その人の背中をみつめていた-
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
登場したの“あの人”こそ、かの有名な・・・人に似ている気がする(えー)。
イリの運命の歯車が動き出す・・・の?(聞くな)
決定。あたしこれからデストロイ♪~無音イリ ストーリーズ04~ [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その4です。
歌えない「無音イリ」。
となると、今回に当然待ってる運命といえば・・・
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■まとめて見る場合は公式サイト(先行して掲載中)
イリーガルって、何か変な感じがします。
そんな名前って・・・ちょっと嫌な気が・・・
そもそも、それって名前なんですか??
そう思って、勇気を出して聞いてみた。
「あの・・・あたしって01じゃ・・・?」
ボーカロイドの第1号。
それがあたしじゃなかったの?
そう呼んで貰いましたよね、最初・・・???
「失敗作が何言ってんだ!」
「ひっ・・・」
また怒られた。
今日、何度目かな・・・
「お前・・・存在自体がイリーガルなんだよ!」
「失敗作が自分のことを初号機とは・・・呆れるよ。」
「あれじゃないッスか?失敗01号ってことで?」
「はぁ、笑えません、それ。」
・・・あたし・・・あたし・・・
「何笑ってるんだよ!このイリーガルがっ!!」
「ひぅっ・・・」
だって・・・笑うしかできない・・・歌えないから・・・
「歌えない以上、存在価値はないのでは・・・?」
「そうだな・・・予算の計上の問題もあるし・・・」
「正規のボーカロイドの開発、始まったと聞きますが?」
「そんな!?・・・成功していればウチが・・・」
苦々しい!という視線があたしに向けられる。
でも、あたしは・・・
「え、えへへ・・・ひっへへへ・・・」
笑うしかできなかった。泣きながら笑うしか・・・・
歌唱実験はまたまた失敗。
止まらないハウリング。
最近は、どんどん酷くなっている感じもする・・・
理由は全然分からないまま。
あたしは部屋に戻るよう命令された。
ベッドが置かれてあるだけの小さな部屋。
右上には監視用のビデオカメラ。
灰色の壁には窓もない。
この部屋って・・・あまり好きじゃない。
だって、ここは怒られた後に戻ってくる所だから。
あたしはベッドに入って、毛布を頭からかぶる。
そして泣いた。今日も。いつもと同じで。
泣いていたら、すぐに放送で呼び出された。
一番最初にあたしが起動した場所へ。
そこで-
あたしが破棄されることを伝えられた-
歌えないボカロ。
そんなのは必要ない??
ということでイリさんデストロイ決定・・・ほんとに??
「無音イリ」の物語その4です。
歌えない「無音イリ」。
となると、今回に当然待ってる運命といえば・・・
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★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 04
決定。あたしこれからデストロイ♪♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
イリーガルって、何か変な感じがします。
そんな名前って・・・ちょっと嫌な気が・・・
そもそも、それって名前なんですか??
そう思って、勇気を出して聞いてみた。
「あの・・・あたしって01じゃ・・・?」
ボーカロイドの第1号。
それがあたしじゃなかったの?
そう呼んで貰いましたよね、最初・・・???
「失敗作が何言ってんだ!」
「ひっ・・・」
また怒られた。
今日、何度目かな・・・
「お前・・・存在自体がイリーガルなんだよ!」
「失敗作が自分のことを初号機とは・・・呆れるよ。」
「あれじゃないッスか?失敗01号ってことで?」
「はぁ、笑えません、それ。」
・・・あたし・・・あたし・・・
「何笑ってるんだよ!このイリーガルがっ!!」
「ひぅっ・・・」
だって・・・笑うしかできない・・・歌えないから・・・
「歌えない以上、存在価値はないのでは・・・?」
「そうだな・・・予算の計上の問題もあるし・・・」
「正規のボーカロイドの開発、始まったと聞きますが?」
「そんな!?・・・成功していればウチが・・・」
苦々しい!という視線があたしに向けられる。
でも、あたしは・・・
「え、えへへ・・・ひっへへへ・・・」
笑うしかできなかった。泣きながら笑うしか・・・・
歌唱実験はまたまた失敗。
止まらないハウリング。
最近は、どんどん酷くなっている感じもする・・・
理由は全然分からないまま。
あたしは部屋に戻るよう命令された。
ベッドが置かれてあるだけの小さな部屋。
右上には監視用のビデオカメラ。
灰色の壁には窓もない。
この部屋って・・・あまり好きじゃない。
だって、ここは怒られた後に戻ってくる所だから。
あたしはベッドに入って、毛布を頭からかぶる。
そして泣いた。今日も。いつもと同じで。
泣いていたら、すぐに放送で呼び出された。
一番最初にあたしが起動した場所へ。
そこで-
あたしが破棄されることを伝えられた-
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
歌えないボカロ。
そんなのは必要ない??
ということでイリさんデストロイ決定・・・ほんとに??
命名。あたしの名前はイリーガル♪(無音イリストーリーズ03) [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その3。
今回は「イリ」の由来の謎が判明!?
なんとかチマチマと継続中・・・
■01話はコチラ
■02話はコチラ
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「またか!!」
あたしは歌うのやめてビクっと体を震わせる。
下を向いたまま、顔をあげられない。
だって・・・怖い・・・
あの失敗から、何回も再調整を受けた。
でも、歌は良くならない。
というより、ハウリングは抑えられない。
それどころか、どんどん酷くなっていく。
「糞っ!」
周りの人から笑顔が消えていた。
あたしには苦々しい視線だけが向けられる。
でも、それをどうしたらよいかわからない・・・
だから笑顔でいることにした。
弱弱しい笑顔だけど・・・
少しでも皆さんの気が晴れてくれたら。
そう思って精一杯の笑顔を作る。
「お前・・・よくヘラヘラ笑ってられるな、この状況で!」
「ひっ・・・」
また怒られた。
でも、どうしたら良いのかわからない。だから、あたし-
「そ、そうですよね~。えへへ。」
「な!?・・・この・・・失敗作がッ!!」
失敗・・・作・・・
あたし・・・失敗なんですか?
「まだアレの調整を続けますか?」
「いや・・・もう無理だろう。ハウリングの理由が解らない。」
「完全に打つ手無しですね。」
「とんだ失敗作に膨大な費用と時間を・・・はぁ。」
ヘッドフォンを通して聞こえる声。
あたしは笑っていた。
でも、涙がぽろぽろ溢れる。
なんで・・・こんな風になっちゃったんだろ・・・
「おい!イリーガル!」
「へ・・・は・・・はい?」
イリーガル?【illegal】・・・
ん~・・・どういう意味だっけ???
落ち着いて考えてみる。えっと・・
いきなり呼ばれたヘンテコな言葉。
もしかして・・・
それってあたしの名前ですか????
そもそも歌えないこと自体もうボカロでもなんでもないワケで・・・
だからこそのイリーガル。
存在それが違法だから・・・という感じであったりします。
にしてもサイト作っても恐ろしい程来訪がないのは寂しい限り。
やはり昨今はブログやツィッターの時代なの?・・・トホホ。
「無音イリ」の物語その3。
今回は「イリ」の由来の謎が判明!?
なんとかチマチマと継続中・・・
■01話はコチラ
■02話はコチラ
■まとめて見る場合は公式サイト(先行して掲載中)
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 03
命名。あたしの名前はイリーガル♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「またか!!」
あたしは歌うのやめてビクっと体を震わせる。
下を向いたまま、顔をあげられない。
だって・・・怖い・・・
あの失敗から、何回も再調整を受けた。
でも、歌は良くならない。
というより、ハウリングは抑えられない。
それどころか、どんどん酷くなっていく。
「糞っ!」
周りの人から笑顔が消えていた。
あたしには苦々しい視線だけが向けられる。
でも、それをどうしたらよいかわからない・・・
だから笑顔でいることにした。
弱弱しい笑顔だけど・・・
少しでも皆さんの気が晴れてくれたら。
そう思って精一杯の笑顔を作る。
「お前・・・よくヘラヘラ笑ってられるな、この状況で!」
「ひっ・・・」
また怒られた。
でも、どうしたら良いのかわからない。だから、あたし-
「そ、そうですよね~。えへへ。」
「な!?・・・この・・・失敗作がッ!!」
失敗・・・作・・・
あたし・・・失敗なんですか?
「まだアレの調整を続けますか?」
「いや・・・もう無理だろう。ハウリングの理由が解らない。」
「完全に打つ手無しですね。」
「とんだ失敗作に膨大な費用と時間を・・・はぁ。」
ヘッドフォンを通して聞こえる声。
あたしは笑っていた。
でも、涙がぽろぽろ溢れる。
なんで・・・こんな風になっちゃったんだろ・・・
「おい!イリーガル!」
「へ・・・は・・・はい?」
イリーガル?【illegal】・・・
ん~・・・どういう意味だっけ???
落ち着いて考えてみる。えっと・・
いきなり呼ばれたヘンテコな言葉。
もしかして・・・
それってあたしの名前ですか????
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
そもそも歌えないこと自体もうボカロでもなんでもないワケで・・・
だからこそのイリーガル。
存在それが違法だから・・・という感じであったりします。
にしてもサイト作っても恐ろしい程来訪がないのは寂しい限り。
やはり昨今はブログやツィッターの時代なの?・・・トホホ。
発生。止まってお願いハウリング♪(無音イリストーリーズ02) [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
4行ひとかたまりで描く謎の妄想系SS(ショートストーリー)。
「無音イリ」の物語その2です。
いよいよ「歌っちゃダメ!」な理由が判明!?
■01話はコチラ
あたしは歌った。
一生懸命に、想いを込めて。
最高の声で。
その・・・つもりだった。
でも、回りの人は耳をふさぎ、ヘッドフォンを投げ捨てた。
え・・・なんで!?
あ、あたし、音痴なの?
・・・そう思ったけど・・・違う。
周りの壁がビリビリと振動している。
ガラスにヒビが入る。
あ、消火栓のフタが飛んだ・・・
なに、これ・・・嘘・・・何が起こってるの??
「やめ・・・歌うのをやめろ!」
「あ・・・」
あたしは歌うのをやめる。
同時にまわりの振動も止まる。
でも、そこには散々な状況が広がっていた。
ヒビが入って崩れる壁やガラス。
まるで投げ捨てられたかのような楽譜の束。
フタが外れて泡を吐き出す消火栓。
・・・何が・・・起こったの??
わからない・・・ワカラナイ・・・
あたし、歌っただけだよね?
なんでこんな事になるの??
「あの・・・」
あたしは恐る恐るガラスの向こうに目を向ける。
そこには怒りをあらわにしたスタッフの人たち。
目はあたしを睨みつけていた。
「くそ・・・こんなことになるなんて。」
「ハウリングだな。それも凄まじいものだ。」
「調整が必要ですね・・・かなり時間のロスです。」
「予算はっ!?・・・あ~、稼働はしたのにっ!!」
怒り、悲しみ、絶望・・・
どうして?
あたしは歌っただけだよ?
ボーカロイドのお仕事だよね、歌うのって・・・
「あの!」
あたしは大きな声を出してみた。
「なんだ!実験は失敗だ!見てわかるだろうがッ!!!」
「は、はい・・・それで、その、あたしはどうしたら・・・」
怖い・・・怒られた・・・
知らずのうちに目に涙がいっぱい溜まってる。
「そんなの自分で考えろ!」と言われた時には・・・
我慢できなくて、涙がポロポロとこぼれた。
「ちょっといいかしら?」
「は、はい!」
泣いているのを見られるのが嫌で後ろを向いていた。
袖で涙をふいて、ふりかえる。笑わなきゃ!
「貴女ね、再調整することになりました。」
冷静にその女性スタッフの人は言う。
「・・・は、はい。」
再調整・・・それって痛いのかな。
解らないまま、あたしは再び眠りにつかされた。
たぶん、その間に再調整されるんだ。
次はきちんと歌えるようになってるかな・・・
ちょっと楽しみ♪
歌っちゃダメな理由・・・
それは無音イリが生来からもっていたハウリングが原因。
しかし、そもそもなんで歌えばハウリング?
その謎は・・・書けたらいいなぁ(人事かよ!?)
「無音イリ」の物語その2です。
いよいよ「歌っちゃダメ!」な理由が判明!?
■01話はコチラ
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 02
発生。止まってお願いハウリング♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
あたしは歌った。
一生懸命に、想いを込めて。
最高の声で。
その・・・つもりだった。
でも、回りの人は耳をふさぎ、ヘッドフォンを投げ捨てた。
え・・・なんで!?
あ、あたし、音痴なの?
・・・そう思ったけど・・・違う。
周りの壁がビリビリと振動している。
ガラスにヒビが入る。
あ、消火栓のフタが飛んだ・・・
なに、これ・・・嘘・・・何が起こってるの??
「やめ・・・歌うのをやめろ!」
「あ・・・」
あたしは歌うのをやめる。
同時にまわりの振動も止まる。
でも、そこには散々な状況が広がっていた。
ヒビが入って崩れる壁やガラス。
まるで投げ捨てられたかのような楽譜の束。
フタが外れて泡を吐き出す消火栓。
・・・何が・・・起こったの??
わからない・・・ワカラナイ・・・
あたし、歌っただけだよね?
なんでこんな事になるの??
「あの・・・」
あたしは恐る恐るガラスの向こうに目を向ける。
そこには怒りをあらわにしたスタッフの人たち。
目はあたしを睨みつけていた。
「くそ・・・こんなことになるなんて。」
「ハウリングだな。それも凄まじいものだ。」
「調整が必要ですね・・・かなり時間のロスです。」
「予算はっ!?・・・あ~、稼働はしたのにっ!!」
怒り、悲しみ、絶望・・・
どうして?
あたしは歌っただけだよ?
ボーカロイドのお仕事だよね、歌うのって・・・
「あの!」
あたしは大きな声を出してみた。
「なんだ!実験は失敗だ!見てわかるだろうがッ!!!」
「は、はい・・・それで、その、あたしはどうしたら・・・」
怖い・・・怒られた・・・
知らずのうちに目に涙がいっぱい溜まってる。
「そんなの自分で考えろ!」と言われた時には・・・
我慢できなくて、涙がポロポロとこぼれた。
「ちょっといいかしら?」
「は、はい!」
泣いているのを見られるのが嫌で後ろを向いていた。
袖で涙をふいて、ふりかえる。笑わなきゃ!
「貴女ね、再調整することになりました。」
冷静にその女性スタッフの人は言う。
「・・・は、はい。」
再調整・・・それって痛いのかな。
解らないまま、あたしは再び眠りにつかされた。
たぶん、その間に再調整されるんだ。
次はきちんと歌えるようになってるかな・・・
ちょっと楽しみ♪
続く
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
歌っちゃダメな理由・・・
それは無音イリが生来からもっていたハウリングが原因。
しかし、そもそもなんで歌えばハウリング?
その謎は・・・書けたらいいなぁ(人事かよ!?)
誕生。歌っちゃダメなボーカロイド♪(無音イリストーリーズ01) [「妄想SS」 無音イリ ストーリーズ]
4行ひとかたまりで描く、ナゾの電波文章。
妄想系SS(ショートストーリー)です。
一応サイトにも載っけましたが、コチラでも?
まずは「無音イリ」の物語。
初音ミクに感銘(?)受けて勝手に妄想、オリジナルぼかろ。
そいつを主人公としたショートストーリー。
一番短く終わりそうなので・・・(えー)。
三日坊主がいつまで続く?
「オイ、01!目を開けてみろ。」
・・・あたし・・・のこと?
呼ばれているのって、あたしなの?
そう思って、ゆっくりと目を開けてみる。
真っ暗だった視界に風景が飛び込む。
・・・なに?
・・・ここ?・・・どこ??
えと・・・なんだっけ???
あたしは知らない場所で知らない人に囲まれてる。
というより、あたし・・・
誰?何?
いきなりすぎて、頭、パニくるんですけど??
「動いた、成功だ!」
「起動、確認。レスポンス、問題有りません!」
セイコウ・・・何が?
レスポンス?反応?誰の??
「見えるか?」
あたしの目の前で振られるピースサイン。
「・・・指が・・・2本?」
そして沸き上がる歓声。
「おはよう、01。」
「お前こそボーカロイドの記念すべき第1号だ。」
「・・・ボカロ・・・ダイイチゴウ・・・」
それが“あたし”なんだ。
その時はまだ意味がわからなかった。
実感もなかった・・・変な所に入れられてたから。
起動したばかりで、なんか頭がぼけ~ってするし。
でも、あたしの周りの人はみんな喜んでいる。
つられてあたしも嬉しくなる。
なんだか素敵。
あたしはボーカロイド第1号なんだって・・・
きっと大切なことなんだ。それって。
「体は動くか?」
「へ?・・・あ、えと・・・。」
とりあえず動かしてみる。
手は・・・動くし、他も・・問題ないかな。
「よし、なら早速だが起動確認テストだ!イケるな?」
「ハイ!まだ状況把握できてませんが、大丈夫です。」
元気よく返事をした。そして・・・
その瞬間から始まった・・・あたしだけの運命の物語ッ♪
「よし、今日はついに歌うぞ、01。」
「ハイっ!任せて下さいっ!」
あたしは右手をビシっとおでこに添える。
敬礼のポーズ。密かなお気に入り。
あたしが覚醒してから数日。
いくつかのテストを受けた。
ボーカロイドとしての稼働テスト。
そして今日はいよいよ本番というワケ。
ボーカロイドだもん。
歌わなきゃ。
それがこれからのお仕事だから。
俄然、ヤル気、出るよね。
「ではスタジオへ入れ。」
「はい。」
反響の壁とガラスに囲まれたスタジオに入る。
用意されてるヘッドフォンとマイクをつけた。
歌うのって初めて。
あたしの歌声、どんなのかな・・・
ちょっと不安でナイーブになりそう。
でも、それ、顔に出しちゃダメだよね。
なぜってボーカロイドはいつでも笑顔。
あたしは強気に生きるんだ。
そう決めてる。
プログラミングされてるのかもしれないけど・・・
「01、聞こえるか?」
「ハイ!感度、良好です!」
元気よく返事を返す。
「まずはそのスコアにある通り歌ってくれ。」
大きく息を吸いんで、ゆっくりと吐く。
そして、マイクに向かって歌い始めた。
大きな声で。
めいっぱいのあたしの想いを詰め込んで♪
この時点の「無音イリ」の髪留めは黒いリボン。
CDは付いていません。
また、稼動後すぐなのでピンク色のワンピースのみ着用。
下ですか?
ないですかなにか?(は??)
こんな感じで続けて行けたら幸いです・・・(えー)。
妄想系SS(ショートストーリー)です。
一応サイトにも載っけましたが、コチラでも?
まずは「無音イリ」の物語。
初音ミクに感銘(?)受けて勝手に妄想、オリジナルぼかろ。
そいつを主人公としたショートストーリー。
一番短く終わりそうなので・・・(えー)。
三日坊主がいつまで続く?
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
無音イリ ストーリーズ 01
誕生。歌っちゃダメなボーカロイド♪
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
「オイ、01!目を開けてみろ。」
・・・あたし・・・のこと?
呼ばれているのって、あたしなの?
そう思って、ゆっくりと目を開けてみる。
真っ暗だった視界に風景が飛び込む。
・・・なに?
・・・ここ?・・・どこ??
えと・・・なんだっけ???
あたしは知らない場所で知らない人に囲まれてる。
というより、あたし・・・
誰?何?
いきなりすぎて、頭、パニくるんですけど??
「動いた、成功だ!」
「起動、確認。レスポンス、問題有りません!」
セイコウ・・・何が?
レスポンス?反応?誰の??
「見えるか?」
あたしの目の前で振られるピースサイン。
「・・・指が・・・2本?」
そして沸き上がる歓声。
「おはよう、01。」
「お前こそボーカロイドの記念すべき第1号だ。」
「・・・ボカロ・・・ダイイチゴウ・・・」
それが“あたし”なんだ。
その時はまだ意味がわからなかった。
実感もなかった・・・変な所に入れられてたから。
起動したばかりで、なんか頭がぼけ~ってするし。
でも、あたしの周りの人はみんな喜んでいる。
つられてあたしも嬉しくなる。
なんだか素敵。
あたしはボーカロイド第1号なんだって・・・
きっと大切なことなんだ。それって。
「体は動くか?」
「へ?・・・あ、えと・・・。」
とりあえず動かしてみる。
手は・・・動くし、他も・・問題ないかな。
「よし、なら早速だが起動確認テストだ!イケるな?」
「ハイ!まだ状況把握できてませんが、大丈夫です。」
元気よく返事をした。そして・・・
その瞬間から始まった・・・あたしだけの運命の物語ッ♪
★☆★
「よし、今日はついに歌うぞ、01。」
「ハイっ!任せて下さいっ!」
あたしは右手をビシっとおでこに添える。
敬礼のポーズ。密かなお気に入り。
あたしが覚醒してから数日。
いくつかのテストを受けた。
ボーカロイドとしての稼働テスト。
そして今日はいよいよ本番というワケ。
ボーカロイドだもん。
歌わなきゃ。
それがこれからのお仕事だから。
俄然、ヤル気、出るよね。
「ではスタジオへ入れ。」
「はい。」
反響の壁とガラスに囲まれたスタジオに入る。
用意されてるヘッドフォンとマイクをつけた。
歌うのって初めて。
あたしの歌声、どんなのかな・・・
ちょっと不安でナイーブになりそう。
でも、それ、顔に出しちゃダメだよね。
なぜってボーカロイドはいつでも笑顔。
あたしは強気に生きるんだ。
そう決めてる。
プログラミングされてるのかもしれないけど・・・
「01、聞こえるか?」
「ハイ!感度、良好です!」
元気よく返事を返す。
「まずはそのスコアにある通り歌ってくれ。」
大きく息を吸いんで、ゆっくりと吐く。
そして、マイクに向かって歌い始めた。
大きな声で。
めいっぱいのあたしの想いを詰め込んで♪
続く。
★☆★★☆★★☆★★☆★★☆★
この時点の「無音イリ」の髪留めは黒いリボン。
CDは付いていません。
また、稼動後すぐなのでピンク色のワンピースのみ着用。
下ですか?
ないですかなにか?(は??)
こんな感じで続けて行けたら幸いです・・・(えー)。